著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:ULIL ALBAB Jurnal Ilmiah Multidisiplin
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
コーヒー豆は焙煎の進み具合によって色が大きく変わり、その色は製品の見た目を左右します。この研究は、インドネシア南スマトラ州パガルアラムの中小零細事業者「AJD Coffee」が作るロブスタ種のドリップバッグコーヒーを対象にしています。ドリップバッグとは、挽いた粉を小袋に詰め、カップに掛けてお湯を注いで抽出する形式の商品です。著者らは、こうした製品の見た目が焙煎工程の正確さに強く依存すると考え、焙煎温度と焙煎時間の組み合わせがコーヒーの色の変化にどう影響するかを実験で調べました。
何をどのように調べたか
研究チームは、焙煎温度を220℃、225℃、230℃の3段階、焙煎時間を10分、12.5分、15分の3段階に設定し、これらを組み合わせて焙煎しました。実験は、二つの要因を同時に扱い、試料を無作為に割り付ける「完全無作為化要因配置法」という設計で行われています。
色の測定には、色を数値で表す国際的な方式であるCIELAB表色系が使われました。この方式では、L*が明るさ(数値が大きいほど明るい)、a*が赤みと緑み、b*が黄みと青みを表します。得られた値は分散分析(ANOVA)で統計的に検討され、どの条件の間に差があるかを確かめる追加の検定(BNJ検定、いわゆるテューキー法)も、誤りの危険率5%の基準で行われました。
主な結果
論文によると、焙煎温度、焙煎時間、そして両者の組み合わせ(交互作用)のいずれもが、コーヒー粉の色の変化に対して統計的に非常に有意な影響を及ぼしていました。つまり、温度と時間はそれぞれ単独で色に効くだけでなく、どの温度とどの時間を組み合わせるかによっても色の変わり方が異なるということです。
測定値の範囲は、明るさを示すL*が25.88〜51.90、赤みを示すa*が10.40〜12.41、黄みを示すb*が20.86〜30.69でした。温度が高く、焙煎時間が長くなるほど、L*とb*は大きく低下し、コーヒーの見た目はより暗い色になったと報告されています。
一方、a*の値の変動について著者らは、焙煎中に起こるカラメル化反応(糖が熱で褐色に変化する反応)やメイラード反応(糖とアミノ酸などが反応して褐色の物質ができる反応)によって色素となる化合物が生成されることが直接関わっていると説明しています。
研究が示すこと
著者らは、ロブスタコーヒーに望ましい色の特徴を引き出すには、焙煎温度と焙煎時間を精密に設定することが欠かせないと結論づけています。温度と時間の組み合わせ次第で色が大きく変わることを数値で示したこの研究は、小規模な生産現場においても焙煎条件の管理が製品の見た目を決める重要な要素であることを伝えています。
原著論文の著者・所属:Inka Rizki Padya(Institut Teknologi Pagar Alam, Indonesia)、Anggia Martiana(Institut Teknologi Pagar Alam, Indonesia)、Putri Ayu Ira Distriani(Institut Teknologi Pagar Alam, Indonesia)、Elvira Tasti Ayu(Institut Teknologi Pagar Alam, Indonesia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Inka Rizki Padya, Anggia Martiana, Putri Ayu Ira Distriani, Elvira Tasti Ayu Analisis Warna Kopi Drip Bag UMKM AJD Pagar Alam Terhadap Variasi Suhu Roasting dan Lama Waktu Roasting. ULIL ALBAB Jurnal Ilmiah Multidisiplin 2026-08-01. DOI: 10.56799/jim.v5i9.19678. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。