著者の所属・活動拠点の国は、インドです。
掲載誌:Journal of biology and nature
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
ソーセージに食物繊維を加えると、栄養面や加工時の性質が改善する可能性があります。一方で、味や食感の好ましさに影響することもあります。バナナ由来の素材を肉製品に使う研究はこれまでにも行われてきました。しかし、加熱して細かく刻んだ未熟なプランテン(調理用のバナナの一種)、とくに皮ごと使ったものがチキンソーセージにどう影響するかについては、情報が限られていました。
そこで研究チームは、皮をむいたプランテンと皮付きのプランテンをそれぞれチキンソーセージに加え、品質への影響を調べました。対象としたのは、物理化学的な性質、基本的な成分組成、官能評価(人が実際に食べて味や食感を評価する試験)です。
どのように調べたか
著者らは3種類のソーセージを作りました。1つ目はプランテンを入れない対照品、2つ目は皮をむいた未熟プランテンを加熱して刻んだものを5%加えたもの、3つ目は皮付きの未熟プランテンを同じように加熱して刻み、5%加えたものです。プランテンを加えた2種類では、その分と同じ割合の鶏肉を置き換えました。そのほかの材料は変えていません。
6回の試行で得たデータをもとに、3種類のソーセージを比較しました。比較した項目は、肉の生地(エマルション)と製品の酸性度を示すpH、生地の安定性、加熱後の歩留まり、水分や脂肪がどれだけ保たれるか、成分組成、官能評価です。
主な結果
論文によると、プランテンを加えたソーセージは対照品に比べて、生地と製品のpHが低くなりました。また、生地の安定性、加熱後の歩留まり、水分と脂肪の保持が高まりました。加熱後の歩留まりは、対照品が94.46%、皮なしプランテン入りが95.92%、皮付きプランテン入りが96.48%でした。
成分では、粗繊維(食物繊維の目安となる成分)の含有量が対照品の0.48%から、皮なしで4.42%、皮付きで4.56%に増えました。水分と灰分(ミネラル分の目安)も増え、タンパク質と脂肪の含有量は減りました。
官能評価では、風味、ジューシーさ、食感、総合的な好ましさの得点が、プランテンを加えた2種類で対照品より低くなりました。一方、柔らかさには有意な差がありませんでした。総合的な好ましさの得点は、対照品が8.34、皮なしが7.96、皮付きが7.92でした。皮なしと皮付きの間には有意な差がありませんでした。
研究が示すこと
著者らは、加熱した未熟プランテンを5%加えると、加工時の性質と粗繊維の含有量が向上する一方、官能評価の得点はいくらか下がったとまとめています。皮を残した場合は加工性と繊維の値がわずかに高く、総合的な好ましさがそれ以上大きく下がることはありませんでした。この研究は、繊維を増やす利点と、味や食感の評価との兼ね合いを具体的に示しています。
原著論文の著者・所属:M. Anna Anandh(Tamil Nadu Veterinary and Animal Sciences University (TANUVAS), Department of Livestock Products Technology, Veterinary College and Research Institute, Orathanadu – 614 625, Thanjavur District, Tamil Nadu, India)、M. Prema(Tamil Nadu Veterinary and Animal Sciences University (TANUVAS), Department of Livestock Products Technology, Veterinary College and Research Institute, Orathanadu – 614 625, Thanjavur District, Tamil Nadu, India)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):M. Anna Anandh, M. Prema. Quality Characteristics of Fibre-enriched Chicken Sausages Incorporated with Cooked Plantain. Journal of biology and nature 2026-10-28. DOI: 10.56557/joban/2026/v18i211280. 原著ライセンス:CC BY.