掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
傷みやすい果実を、どう加工するか
ブルーベリーは収穫後に傷みやすく、保存のための加工が重要になります。研究チームは、有機栽培されたハイブッシュブルーベリーの「Duke」と「Elliot」という2品種を対象に、2024年と2025年の成分を調べ、乾燥と加熱殺菌による加工への適性を比較しました。
乾燥では60℃の空気を送り、丸ごとの乾燥果実と果実粉末を作りました。加熱加工では、有機栽培のサトウキビ由来の粗糖を使い、果実の形を残した砂糖煮や、粘度の高いジャム、トッピング、シロップを製造しました。成分の評価では、糖や酸、ビタミンC、ポリフェノール、果実の色に関わるアントシアニンなどを測定しました。
成分量と果実の性質に、品種による違い
加工前の果実では、Elliotの総ポリフェノール量と総アントシアニン量がDukeを上回ったと報告されています。総ポリフェノール量の平均は、比較の基準物質である没食子酸に換算して、果実1kg当たりElliotが5927.59mg、Dukeが4109.94mgでした。
乾燥に要する時間は、両年でおおむね安定していました。一方、加熱加工への向き不向きには、果皮や果肉の性質が関わりました。皮が薄く果汁の多いElliotは、丸ごと煮ると形が崩れ、ジャムやシロップ、トッピングに適していました。果肉のしっかりしたDukeは、果実の形を残す砂糖煮に適していたと著者らは報告しています。
加工品に合わせた品種選び
著者らは、乾燥と加熱殺菌のいずれも、構造や栄養面で重大な劣化を生じさせずに、天然の糖や生理活性成分を濃縮できたと結論づけています。この研究から伝わるのは、ブルーベリーの加工では成分量だけでなく、皮の薄さや果肉の硬さも、作りたい食品に合う品種を選ぶ手がかりになるということです。
著者:Mariana Toma*1,4, Mihaela Sumedrea², Mihaela Paraschiv3,4, Dorel Hoza⁴, Ligia Ion⁴, Adriana-Eliza Nițu1,4, Cristina Vapor1,4, Simona Popescu¹, Daniela Veringă¹, Angela Mohora¹, Ivona Mazilu², Ion Viscol²
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mariana Toma*1,4, Mihaela Sumedrea², Mihaela Paraschiv3,4, Dorel Hoza⁴, Ligia Ion⁴, Adriana-Eliza Nițu1,4, Cristina Vapor1,4, Simona Popescu¹, Daniela Veringă¹, Angela Mohora¹, Ivona Mazilu², Ion Viscol². PROCESSED BIO BLUEBERRIES - AN ALLY OF HUMAN SMART NUTRITION. Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-10-03. DOI: 10.5281/zenodo.23116629. 原著ライセンス:CC BY.