著者の所属・活動拠点の国は、スペインです。

掲載誌:Journal of Food Composition and Analysis

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究のねらい

研究チームは、加熱などの加工を受けたパプリカとアーモンドについて、カテコールと3-メトキシカテコールという2種類の化合物の量を測る分析法を開発し、その性能を確かめました。著者らは、これらの食品でこの2物質を定量する方法としてはこれが初めてだと報告しています。

さらに、開発した方法で市販の食品を分析し、加工の仕方によって含まれる量がどう違うかを調べました。その測定結果をもとに、食事を通じてどの程度摂取する可能性があるかを予備的に見積もっています。

どのように調べたか

分析では、少量の試料に超音波をかけて目的の成分を取り出す小規模な抽出法を用いました。取り出した成分は、液体クロマトグラフィーで分離し、タンデム質量分析計で検出します。液体クロマトグラフィーは混ざった成分を分ける技術で、質量分析は分子の重さを手がかりに物質を見分けて量る技術です。

研究チームは、この方法を、乾燥・殺菌・燻製の3種類の加工をしたパプリカと、加工していないもの・ローストしたもの・揚げたものの3種類のアーモンドに適用しました。

論文によると、食品中のほかの成分による測定への影響は小さく、加えた物質を正しく測れた割合(回収率)は93.2〜106.5%でした。同じ日のうちや日を変えて繰り返し測ったときのばらつきは、相対標準偏差で8.4%以下でした。確実に量を示せる下限(定量下限)は、カテコールで1kgあたり5µg、3-メトキシカテコールで1kgあたり100µgと報告されています。

主な結果

市販品の分析では、含まれる量のパターンが加熱加工の方法に大きく左右されることが示されました。

パプリカでは、乾燥したものはカテコールの量が少なく、殺菌したものは2つの物質がいずれも多く含まれていました。最も高い濃度は燻製したパプリカで見られ、1kgあたりカテコールが238.52mg、3-メトキシカテコールが53.93mgに達しました。

アーモンドでは、加工していないものからは検出されませんでした。一方、ローストしたものや揚げたものではカテコールが見つかり、最大で1kgあたり0.052mgでした。3-メトキシカテコールはいずれも定量下限を下回りました。

これらの測定値をもとに、研究チームは第一段階(Tier 1)にあたる予備的な食事曝露評価を行いました。その結果、加工したアーモンドと乾燥したパプリカについては懸念の可能性を否定できないとし、燻製パプリカではさらに高い曝露推定値が示されたと報告しています。

研究が示すこと

この研究は、加熱加工したパプリカやアーモンドに含まれるカテコールと3-メトキシカテコールを測る手段を示し、同じ食品でも加工の仕方によって含まれる量が大きく変わることを明らかにしました。著者らは、今回の評価は予備的な段階のものであり、加工条件についての研究や、より精密な曝露評価を進める根拠になるとしています。

原著論文の著者・所属:Alba María Navarro-Herrera(Research Group “Analytical Chemistry of Contaminants”, Department of Chemistry and Physics, Research Centre for Mediterranean Intensive Agrosystems and Agrifood Biotechnology (CIAIMBITAL), Agrifood Campus of International Excellence (ceiA3), University of Almeria, E-04120, Almeria, Spain)、Araceli Rivera-Pérez(Department of Analytical Chemistry, Faculty of Sciences, University of Granada, Campus Fuentenueva s/n, E-18071, Granada, Spain; Research Group “Analytical Chemistry of Contaminants”, Department of Chemistry and Physics, Research Centre for Mediterranean Intensive Agrosystems and Agrifood Biotechnology (CIAIMBITAL), Agrifood Campus of International Excellence (ceiA3), University of Almeria, E-04120, Almeria, Spain)、Francisco Javier Egea González(Research Group “Analytical Chemistry of Contaminants”, Department of Chemistry and Physics, Research Centre for Mediterranean Intensive Agrosystems and Agrifood Biotechnology (CIAIMBITAL), Agrifood Campus of International Excellence (ceiA3), University of Almeria, E-04120, Almeria, Spain)、Antonia Garrido Frenich(Research Group “Analytical Chemistry of Contaminants”, Department of Chemistry and Physics, Research Centre for Mediterranean Intensive Agrosystems and Agrifood Biotechnology (CIAIMBITAL), Agrifood Campus of International Excellence (ceiA3), University of Almeria, E-04120, Almeria, Spain)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Alba María Navarro-Herrera, Araceli Rivera-Pérez, Francisco Javier Egea González, et al. Determination of catechol and 3-methoxycatechol in thermally processed paprika and almond by µ-extraction-LC-MS/MS: A preliminary dietary exposure assessment. Journal of Food Composition and Analysis 2026-09-22. DOI: 10.1016/j.jfca.2026.109536. 原著ライセンス:CC BY.