スーパーで買い物かごに何を入れるか、フライパンで何を炒めるか——食卓に並ぶまでの一連の作業に、家庭の子どもがどれだけ関わっているかは、食生活の中身と関係しているのだろうか。今回紹介する研究は、12〜17歳の青少年を対象に、夕食の準備や買い物の手伝いの頻度と、スナック菓子や清涼飲料、菓子パンなどに代表される「超加工食品」の摂取量との関連を調べたものである。
超加工食品とは、糖分や油脂、添加物などを多く含み、工業的な加工工程を経てつくられる食品群を指す言葉として近年注目されており、青少年の食生活で摂取量が多いことが指摘されてきた。家庭での食事づくりへの関わりがこうした食品の摂取量にどう関係するのかを検証した点が、この研究の着眼点である。
研究でわかったこと
この研究は、スペインの「Eating Healthy and Daily Life Activities(EHDLA)」研究に参加した847人の青少年(12〜17歳)のデータを用いた横断的な分析である。夕食の準備を手伝う頻度と、食材の買い物を手伝う頻度をそれぞれ「週3回未満」と「週3回以上」の2群に分け、超加工食品の摂取量(週あたりの摂取回数)との関連を、他の要因の影響を調整した統計モデル(一般化線形モデル)で検討した。
その結果、夕食の準備を週3回以上手伝っている青少年は、それより手伝う頻度が少ない青少年に比べて、超加工食品の摂取量が週あたり3.52回少ないという関連が示された(95%信頼区間−5.54〜−1.51、p=0.001)。一方、食材の買い物を手伝う頻度については、超加工食品の摂取量との間に統計的に意味のある関連は見られなかった。
超加工食品を種類別に見ると、この関連がとくにはっきり表れたのは清涼飲料などの「超加工飲料」で、調理を手伝う頻度が高い群では週あたり1.20回少なかった(95%信頼区間−2.17〜−0.24、p=0.015)。一方、菓子類やファストフードなど他のカテゴリーについては、統計的に意味のある差は確認されなかった。
この研究の位置づけ・読むうえでの注意
この研究は、ある一時点でのアンケートやデータをもとに関連を調べた横断研究であり、「調理を手伝うこと」が「超加工食品の摂取を減らす」原因であると証明するものではない。調理への関わりが多い青少年ほど食への関心がもともと高い可能性なども考えられ、因果関係の向きを断定することはできない。また、対象はスペインの青少年847人に限られており、異なる年齢層や文化的背景を持つ集団でも同様の関連が見られるかどうかは、この研究だけからは分からない。あくまで一つの研究による知見であり、結論が確定したものではない点に留意したい。
まとめ
今回の研究では、青少年が家庭で夕食づくりに定期的に関わることは、超加工食品、とくに超加工飲料の摂取が少ないことと関連することが示唆された。一方で、買い物の手伝いについては同様の関連は見られなかった。家庭での食事づくりへの参加が食習慣にどう関わるのかを考えるうえで、一つの手がかりを示す研究といえるだろう。
※本記事は原著論文の翻訳ではなく、研究内容を独自に解説したものです。参考文献:Rodrigo Yáñez-Sepúlveda, Miguel López-Moreno, Camila Miño, et al. Home food preparation involvement and ultra-processed food consumption in adolescents: the EHDLA study. フィグシェア (2026). DOI: 10.6084/m9.figshare.33446362. 原著ライセンス: cc-by.