著者の所属・活動拠点の国は、スペインです。

掲載誌:Healthcare

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

子どもの健康を複数の側面から捉える

研究チームは、スペインのメリリャにある一つの小学校で、2018年と2024年に調査した児童の地中海食への適合度、体重の状態、自己概念を比較しました。自己概念とは、自分自身をどのように捉えているかという認識です。食事や体格だけでなく、心理・社会的な側面も合わせて、調査時期による違いを調べることが目的でした。

同じ児童の追跡ではなく、二つの集団を比較

対象は、2018年の188人と2024年の231人、計419人でした。参加者は無作為に選ばれたのではなく、調査に参加しやすい児童から募られました。同じ児童の変化を追った研究ではなく、それぞれの時点で調べた別々の集団を比較する横断研究です。

研究チームは、身長と体重から算出するBMIで体重の状態を分類しました。また、子ども向けの食事評価質問票で地中海食への適合度を、別の質問票で自己概念を評価し、年齢と性別の違いを統計的に調整して比較しました。

食事やBMIよりも、自己概念に違い

平均BMIと、年齢・性別を調整した地中海食への適合度の得点には、両集団の間で統計的に有意な差は認められませんでした。体重区分の分布には調整前に違いがありましたが、調整後は調査年との全体的な関連は有意ではありませんでした。

一方、2024年の児童は、社会面、感情面、家族面の自己概念の得点が、年齢と性別を調整した後も2018年の児童より低かったと報告されました。この比較だけで、個々の児童の自己概念が低下したことや、その原因を示すことはできません。

著者らは、同様の学校環境で子どもの健康を把握する際には、体格や食事の指標と心理・社会的な指標を合わせて見ることが重要だとしています。食事や平均BMIに明確な差が見られなくても、自分自身の捉え方には違いがあり得ることを示した研究です。

原著論文の著者・所属:Guillermo Moreno-Rosa(Department of Didactics of Musical, Plastic and Corporal Expression, Faculty of Education and Sports Sciences of Melilla, University of Granada, Santander Av. 1, 52071 Melilla, Spain)、Manuel Castro-Sánchez(Department of Didactics of Musical, Plastic and Corporal Expression, Faculty of Education and Sports Sciences of Melilla, University of Granada, Santander Av. 1, 52071 Melilla, Spain)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Guillermo Moreno-Rosa, Manuel Castro-Sánchez. Mediterranean Diet Adherence, Weight Status, and Self-Concept in Primary Schoolchildren in Melilla, Spain: A Comparison of Two Independent Cohorts Assessed in 2018 and 2024. Healthcare 2026-11-01. DOI: 10.3390/healthcare14213697. 原著ライセンス:CC BY.