コンブチャは、甘いお茶を酵母と酢酸菌の共生体(SCOBY)で発酵させて作る発酵飲料で、近年は健康志向の飲み物として世界的に人気が高まっています。一方、非感染性疾患(生活習慣病)は世界的に死亡原因の上位を占め、インドネシアでもその割合が増え続けているといいます。こうした背景から、食事による予防的なアプローチの一つとして、機能性を期待できる食品・飲料の開発が注目されています。今回紹介する研究は、栄養価の高い植物として知られるモリンガの葉に、色鮮やかな食用花であるバタフライピーとローゼルを組み合わせたコンブチャを試作し、その抗酸化活性と味や香りなどの官能評価を比較したものです。

研究でわかったこと

研究チームは、モリンガ葉とバタフライピー花を1対1で配合した「F1」と、モリンガ葉とローゼル花を1対1で配合した「F2」の2種類の原料を用意し、それぞれを8日間発酵させてコンブチャを作りました。抗酸化活性はDPPH法という手法で測定され、阻害率(%阻害)とIC50(抗酸化力の指標)という2つの値で評価されています。また、味や香りなどの好ましさについては、33人のセミトレーニングを受けたパネリスト(評価者)による嗜好度評価(ヘドニックスケール法)で調べられました。データの解析には、抗酸化活性については一元配置分散分析(ANOVA)、嗜好度については対応のあるt検定またはウィルコクソン検定が用いられています。

その結果、F1とF2の間で、抗酸化活性の指標である%阻害とIC50の両方に統計的に有意な差が見られたと報告されています。また官能評価では、パネリストはF1(モリンガ・バタフライピー配合)よりもF2(モリンガ・ローゼル配合)を好む傾向が示されました。論文の著者らは、今後モリンガと地域の食用花を使ったコンブチャについて、含まれる生理活性成分やより詳しい消費者の嗜好をさらに調べる必要があるとしています。

この研究の位置づけ・読むうえでの注意

この論文自体が「予備研究(preliminary study)」と位置づけられており、今回の結果はあくまで最初の一歩と捉えるのが適切です。要旨の中では、具体的な%阻害やIC50の数値、抗酸化活性と嗜好度がどのように関係するのかといった詳細までは述べられていません。また、この研究で示されたのは統計的な差や好みの傾向であり、これらのコンブチャを飲むことで健康上の効果が得られると断定するものではない点に注意が必要です。あくまで一つの予備的な研究であり、結論が確定したわけではありません。

まとめ

今回紹介したのは、モリンガ葉にバタフライピーまたはローゼルという食用花を組み合わせて作ったコンブチャの、抗酸化活性と官能特性を比較した予備研究でした。両配合の間で抗酸化活性に有意差が見られ、味や香りの好みについてはローゼルを組み合わせた配合の方が高く評価されたことが示されています。著者らも述べているとおり、今後さらに詳しい成分分析や消費者評価が期待される、発展途上の研究テーマといえそうです。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:モリンガ葉、ローゼルおよびバタフライピー花を用いたコンブチャの抗酸化活性と官能特性:予備研究(バイオ・ウェブ・オブ・カンファレンシズ・2026年01月)