著者の所属・活動拠点の国は、スウェーデンです。
掲載誌:Nutrition Journal
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
超加工食品は、工業的な原材料や加工技術を組み合わせて作られる食品を指します。英国や米国では、成人のエネルギー摂取量の半分以上を占めると報告されています。超加工食品を多く食べることと、さまざまな健康上の問題との関連を示す研究は増えています。一方で、どの食品を超加工食品に分類するかについては、精度や基準の曖昧さが議論されてきました。
スウェーデンについては、以前の分析で欧州でも超加工食品の摂取が多い国の一つとされていました。しかし、その推計は慎重に解釈する必要があるとされ、子どもや若者の摂取量のデータもありませんでした。そこで研究チームは、全国を代表する個人単位の食事データを使い、スウェーデンの人々がどれだけ超加工食品をとっているかを調べました。あわせて、摂取量と食事の質、ビタミン・ミネラルの摂取、体格指数(BMI)や体重区分との関連も分析しました。
何をどのように調べたか
分析には、スウェーデン食品庁が実施する全国食事調査「Riksmaten」の三つの調査を用いました。対象は、2010〜2011年の成人(18〜80歳、約1800人)、2016〜2017年の5・8・11年生の生徒(約3100人)、2021〜2024年の1歳半と4歳の幼児(約1800人)です。参加者はウェブ上の食事記録や聞き取り方式で、数日分の飲食内容を報告しました。
食品の分類には、加工の性質や程度によって食品を四つのグループに分ける「Nova分類」を使いました。工業的に製造され、料理ではほとんど使われない成分や、見た目や風味を整える添加物などの「目印となる原材料」を一つ以上含む食品を、超加工食品としています。分類は二人の研究者がそれぞれ独立して行い、結果を突き合わせて合意しました。二人の判定の一致度は、統計的な指標で「かなり高い」と評価される水準でした。
市販品によって加工度が異なり、判断が難しい食品もあります。そのため著者らは、最も可能性の高い分類を主な分析に用いました。そのうえで、加工度を最も低く見積もる場合と最も高く見積もる場合の分類でも、同じ分析を繰り返しました。食事の質は、たんぱく質、食物繊維、全粒穀物、飽和脂肪、添加糖、食塩の摂取や、栄養素の密度を表す指標で評価しました。
主な結果
主な分類では、総エネルギー摂取量に占める超加工食品の平均割合は、成人で45%、生徒で52%、幼児で46%でした。およそ半分にあたります。加工度を低く見積もる分類では23〜29%、高く見積もる分類では52〜63%となり、分類の仕方によって推計が大きく変わることも示されました。年齢別では、子どもから思春期にかけて割合が高くなり、11年生で最も高くなりました。最も低かったのは60〜80歳の成人でした。
超加工食品からのエネルギーの最大の供給源は、成人と幼児ではパンで、生徒ではサンドイッチやピザなどでした。1歳半の子どもでは、子ども向けの穀物製品が最大の供給源でした。
超加工食品の割合が高い人ほど、多くの指標で食事の質が低い傾向がありました。特に添加糖との関連が最も強く、全粒穀物や食物繊維の摂取は少なくなっていました。多くのビタミンやミネラルも、摂取エネルギーあたりの量が少ない傾向でした。ただし例外もありました。飽和脂肪は成人と生徒では関連がみられず、幼児ではむしろ割合が低くなっていました。食塩の密度は、すべての年齢層で低くなる傾向でした。幼児では、鉄とビタミンEの密度が高くなる関連もみられました。
体重との関係では、成人に限り、超加工食品の割合が10ポイント高いごとにBMIが0.61%高いという関連がみられました。過体重・肥満の割合は、主な分析ではどの年齢層でも統計的に明確な差がありませんでした。ただし成人では、総エネルギー摂取量を考慮すると、摂取が最も多いグループは最も少ないグループより過体重・肥満の割合が16%高くなりました。生徒と4歳児では、主な分析で明確な関連はみられませんでした。
この研究が示すこと
この研究は、スウェーデンの成人から幼児までを対象に、超加工食品の摂取を全国規模で包括的に評価した初めての研究と位置づけられています。その結果、超加工食品がエネルギー摂取のおよそ半分を占め、割合が高いほど全体として食事の質が低い傾向が示されました。ただし、ある時点の調査データを分析したものであり、示されたのは関連であって、因果関係を示したものではありません。
著者らは、分類の難しさも強調しています。たとえばパンには、栄養面では好ましい内容でも、単離グルテンやシロップといった原材料を一つ含むだけで超加工食品に分類されたものが多くありました。研究チームは、同じ「超加工食品」の中にも栄養的に大きく異なる食品が含まれると指摘しています。そのうえで、分類方法やその不確かさを明示して調べることが重要だとしています。
著者:Torsten Sällström(https://ror.org/01tm6cn81 grid.8761.8 0000 0000 9919 9582 Department of Internal Medicine and Clinical Nutrition, Institute of Medicine, Sahlgrenska Academy University of Gothenburg PO Box 459 SE-405 30 Gothenburg Sweden)、Anna Turesson Wadell(https://ror.org/01tm6cn81 grid.8761.8 0000 0000 9919 9582 Department of Food and Nutrition, and Sport Science University of Gothenburg Gothenburg Sweden)、Julia Wanselius(https://ror.org/01tm6cn81 grid.8761.8 0000 0000 9919 9582 Department of Food and Nutrition, and Sport Science University of Gothenburg Gothenburg Sweden)、Ola Wallengren(https://ror.org/04vgqjj36 grid.1649.a 0000 0000 9445 082X Department of Medical Specialties, Clinical Nutrition Unit Sahlgrenska University Hospital Region Västra Götaland Gothenburg Sweden)、Agneta Åkesson(https://ror.org/056d84691 grid.4714.6 0000 0004 1937 0626 Unit of Cardiovascular and Nutritional Epidemiology Institute of Environmental Medicine, Karolinska Institutet Stockholm Sweden)、Rikard Landberg(https://ror.org/040wg7k59 grid.5371.0 0000 0001 0775 6028 Department of Life Sciences, Division of Food and Nutrition Science Chalmers University of Technology Gothenburg Sweden)、Anna Karin Lindroos(https://ror.org/048a87296 grid.8993.b 0000 0004 1936 9457 Department of Food Studies, Nutrition and Dietetics Uppsala University Uppsala Sweden)、Emma Patterson(Department of Risk and Benefit Assessment Swedish Food Agency Uppsala Sweden)、Lotta Moraeus(Department of Risk and Benefit Assessment Swedish Food Agency Uppsala Sweden)、Therese Karlsson(https://ror.org/01tm6cn81 grid.8761.8 0000 0000 9919 9582 Department of Internal Medicine and Clinical Nutrition, Institute of Medicine, Sahlgrenska Academy University of Gothenburg PO Box 459 SE-405 30 Gothenburg Sweden)、Linnea Bärebring(https://ror.org/01tm6cn81 grid.8761.8 0000 0000 9919 9582 Department of Internal Medicine and Clinical Nutrition, Institute of Medicine, Sahlgrenska Academy University of Gothenburg PO Box 459 SE-405 30 Gothenburg Sweden)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Torsten Sällström, Anna Turesson Wadell, Julia Wanselius, et al. Intake of ultra-processed foods in Sweden and its association with diet quality and weight status: cross-sectional analyses from three national dietary surveys. Nutrition Journal 2026-10-13. DOI: 10.1186/s12937-026-01408-5. 原著ライセンス:CC BY.