著者の所属・活動拠点の国は、ナイジェリアです。

掲載誌:South Asian Journal of Research in Microbiology

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

緑茶はチャノキ(カメリア・シネンシス)の葉から作られ、抗酸化作用や抗炎症作用、抗菌作用などが報告されていることから世界中で飲まれています。緑茶に含まれるポリフェノールのような食事成分が、腸内の微生物の構成や働きに影響する可能性も指摘されています。しかし、健康なナイジェリアの成人が緑茶を飲んだ後に、便からどのような細菌が培養されるかについての情報は限られていました。

そこで研究チームは、ナイジェリア・ポートハーコートのリバーズ州立大学の学生を対象に、2週間の緑茶摂取の間に、便から培養によって得られる細菌の顔ぶれがどう変わるかを調べました。

調べた方法

対象は、大学の寮に住む、見たところ健康な学生30人です。同じ参加者を時間を追って繰り返し調べる前向きの介入研究として行われました。各参加者は、緑茶を飲み始める前、毎日の緑茶摂取を1週間続けた後、2週間続けた後の3回、便を提出し、合計90検体が集められました。

便は、特定の細菌を選んで増やしたり見分けたりするための培地で培養されました。育った細菌は、集落(コロニー)の見た目、グラム染色、従来の生化学検査といった標準的な微生物学の手順で種類が特定されました。結果は、各細菌が検出された割合(頻度と百分率)として示されています。

主な結果

研究期間中に便から分離された細菌には、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、サルモネラ属が含まれていました。

大腸菌が検出された検体の割合は、開始時の16.7%から、1週間後に23.3%、2週間後に30.0%へと増えたと報告されています。ほかの細菌の一部にも同様の傾向が見られました。一方、使用した培地で細菌の増殖が確認されなかった検体の割合は、開始時の60.0%から1週間後に43.3%へ減り、2週間後も43.3%のままでした。

この研究が示すこと

著者らは、2週間の緑茶摂取が、培養可能な一部の便中細菌の検出頻度の変化と関連していたと述べています。ただし、この研究は従来の培養法だけに頼っており、捉えられるのは使用した培地で育つ細菌に限られます。そのため著者らは、この結果を腸内細菌叢の構成が全体的に変化した証拠や、腸の健康に悪影響が出た証拠として解釈すべきではないとしています。

また、参加者が30人と比較的少なく、摂取期間も2週間と短いため、結果をほかの集団に一般化できる範囲は限られる可能性があると論文は指摘しています。この研究は、2週間にわたり毎日緑茶を飲んだ学生の便で、培養法で捉えられる一部の細菌の検出頻度が変化したことを報告したものです。

原著論文の著者・所属:Agi, Vivian Nkemkanma(Department of Medical Microbiology, Faculty of Medical Laboratory Science, Rivers State University, Port Harcourt, Nigeria)、Onwuamaeze, Faith Nkeiruka(Department of Medical Microbiology, Faculty of Medical Laboratory Science, Rivers State University, Port Harcourt, Nigeria)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Agi, Vivian Nkemkanma, Onwuamaeze, Faith Nkeiruka. Culture-based Characterization of Faecal Bacterial Isolates Following a Two-week Green Tea Intervention among Rivers State University Students, Port Harcourt, Nigeria. South Asian Journal of Research in Microbiology 2026-10-26. DOI: 10.9734/sajrm/2026/v20i11537. 原著ライセンス:CC BY.