著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:SOCIAL Jurnal Inovasi Pendidikan IPS

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

デジタル技術が急速に広がるなか、飲食業の零細・中小事業者(インドネシアでUMKMと呼ばれる事業者)には、競争力を保つためにより現代的な販売促進の工夫が求められています。インドネシア・ゴロンタロ国立大学の研究チームは、ゴロンタロ市のウォルター・モンギンシディ通りにある「タルナ・レマジャ広場」で営業する飲食系事業者を対象に、SNSの活用がマーケティング戦略に与える影響を分析しました。

著者らによると、この場所の事業者は商品・価格・販売場所といった要素には取り組んでいるものの、デジタル媒体を使った宣伝は一様には進んでいませんでした。60の事業者のうち18はいまだに口コミ中心の宣伝に頼り、残る42は積極的にSNSを使っていたと報告されています。こうした状況を踏まえ、研究チームはSNS活用とマーケティング戦略の関係を数量的に確かめることを目指しました。

どのように調べたか

調査対象は、この広場で登録されている飲食系事業者60件全員です。このうち15件は質問票が適切に機能するかを確かめる試行調査に充て、残る45件を本調査の回答者としました。

質問票は「まったくそう思わない」から「とてもそう思う」までの5段階で答える形式です。SNS活用については、投稿内容の質、投稿の頻度、利用者とのやり取り、届く範囲の広さ、プラットフォームの機能の使いこなしといった観点から尋ねました。マーケティング戦略については、商品、価格、販売場所、宣伝という、マーケティングの基本とされる4つの要素(いわゆる4P)に沿って評価しました。

集めたデータは統計ソフトを使い、SNS活用の度合いとマーケティング戦略の評価がどう結びついているかを、一つの要因でもう一方を説明する単回帰分析という手法で調べました。

主な結果

回答者の平均点は、SNS活用が5点満点中4.29、マーケティング戦略が4.24で、著者らはいずれも「非常に良い」水準にあると評価しています。

分析の結果、SNS活用はマーケティング戦略に対して統計的に意味のある正の影響を示したと報告されています。研究チームが得た式では、SNS活用の得点が1単位上がるごとにマーケティング戦略の得点が0.620単位高くなる関係が示されました。

また、マーケティング戦略の得点のばらつきのうち47.9%がSNS活用によって説明されるとされました。残りの52.1%は今回の分析に含まれない別の要因によるもので、著者らは商品の質、メニューの工夫、接客、販売場所の利便性などを例に挙げています。

一方で、現地での観察からは、多くの事業者がシンプルな投稿にとどまり、閲覧者の分析機能や有料広告、計画的な投稿スケジュールといった機能までは十分に活用していないことも指摘されています。

この研究が示すこと

著者らは、SNSを継続的かつ計画的に使うことが、地方の小さな飲食店にとってマーケティング全体を支える重要な手段になっていると結論づけています。同時に、SNSだけでマーケティングの成否が決まるわけではなく、味や衛生、接客、立地といった店そのものの力と組み合わせることが大切だという点も、この研究の結果から読み取れます。

原著論文の著者・所属:Nur Marsyah Adelia Kunte(Pendidikan Ekonomi, Universitas Negeri Gorontalo)、Radia Hafid(Pendidikan Ekonomi, Universitas Negeri Gorontalo, Indonesia)、Agil Bahsoan(Pendidikan Ekonomi, Universitas Negeri Gorontalo, Indonesia)、Roy Hasiru(Pendidikan Ekonomi, Universitas Negeri Gorontalo, Indonesia)、Abdulrahim Maruwae(Pendidikan Ekonomi, Universitas Negeri Gorontalo, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nur Marsyah Adelia Kunte, Radia Hafid, Agil Bahsoan, Roy Hasiru, Abdulrahim Maruwae PENGARUH PEMANFAATAN MEDIA SOSIAL TERHADAP STRATEGI PEMASARAN UMKM KULINER LAPANGAN TARUNA REMAJA. SOCIAL Jurnal Inovasi Pendidikan IPS 2026-08-15. DOI: 10.51878/social.v6i3.14530. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。