著者の所属・活動拠点の国は、ナイジェリア、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Halal Center
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
安全で倫理的、そして宗教的にも受け入れられる食品を求める声の高まりを背景に、イスラム法で許された食品である「ハラール食品」の産業は世界的に大きく成長しています。一方、保存料や着色料などの食品添加物は現代の食品加工に欠かせない存在ですが、化学的に複雑で原料の由来もさまざまです。そのため、ハラールとしての適合性を保つうえで大きな課題になると著者らは指摘しています。
この論文はレビュー(既存の知見を整理・検討する総説)です。著者らは、ハラール認証食品で一般的に使われる添加物の化学組成、働き、安全性を検討し、それらがイスラムの食の戒律に適合するかを評価することを目的としています。
何を調べたか
抄録によると、対象となった添加物は保存料、着色料、乳化剤、うま味などを強める風味増強剤、安定剤、酸化防止剤です。戒律との適合性については、原料の由来を確かめること、加工の方法、製造過程で許されない物質が混入するリスクに焦点が当てられています。
さらに、国際的なハラール基準や認証制度などの規制の枠組みを体系的に検討し、世界的な基準の統一を妨げている食い違いを洗い出しています。
ハラールかどうかを確かめる手段としては、成分を分離して調べる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やガスクロマトグラフィー(GC)、物質を分子の重さから特定する質量分析(MS)、原料の生物種を遺伝子から調べるDNA検査が取り上げられています。加えて、人工知能(AI)、ブロックチェーン、モノのインターネット(IoT)を用いた追跡システムといった新しい技術が、ハラールの真正性の確認にどう役立つかも評価されています。
主な報告結果
著者らは、ハラールへの適合を確実にするには、化学分析、分子レベルの診断、そして確かな認証制度を組み合わせた包括的な取り組みが必要だと報告しています。その土台となるのが「ハラール・タイイブ」という考え方で、単に戒律上許されているだけでなく、良質で健全であることも重視するものです。
一方で、技術が進歩しても大きな課題が残っているとしています。具体的には、統一された基準がないこと、混入のリスク、認証にかかる費用の高さが挙げられています。
研究が示す意味
このレビューは、ハラール食品添加物の認証の信頼性を高めるには、分析技術だけでは足りず、国際的に調和した基準づくり、分析手法の改良、規制当局どうしの緊密な連携が重要であることを強調しています。添加物という目に見えにくい部分で信頼を確保するには、科学と制度の両面からの取り組みが求められることを示した論文といえます。
著者:Ansar Bilyaminu Adam(Federal University Wukari)、Zakiyya Rilwan Musa(Abubakar Tatari Ali Polytechnic)、Musa Yahaya Abubakar(Federal University Wukari)、Shittu Muhammad Abubakar(University of Jos)、Abdullahi Bilyaminu(Federal Polytechnic Kaura Namoda Zamfara State)、Anggun Rahadian Kusuma Dewi(Muhammadiyah University of Surakarta)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Ansar Bilyaminu Adam, Zakiyya Rilwan Musa, Musa Yahaya Abubakar, Shittu Muhammad Abubakar, Abdullahi Bilyaminu, Anggun Rahadian Kusuma Dewi Chemical Analysis and Safety Standards of Halal Food Additives: Ensuring Purity and Compliance with Islamic Guidelines. Jurnal Halal Center 2026-09-24. DOI: 10.28918/jhc.v1i2.15131. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。