著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Pandawa Pusat Publikasi Hasil Pengabdian Masyarakat

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

取り組みの背景と目的

インドネシア・バニュワンギ県のプラウ・メラは、国内外の観光客、特に海外のサーファーに人気の海岸で、焼き魚を中心とした食の観光も地域の観光を支えています。論文によると、プラウ・メラへの道沿いには焼き魚を出す食堂がおよそ6軒あり、今回の協力先であるYogi Café & Restoの評価は3.5と、その中で最も低いものでした。

著者らは、評価が低い原因として、調理に時間がかかること、味が安定しないこと、店の運営が整っていないことを挙げています。さらに、魚を焼くか揚げるだけで新しいメニューが生まれていないことや、材料の受け入れから調理・提供までの作業手順を定めた標準作業手順書(SOP)がないことも課題とされました。この地域貢献活動は、地元の魚を使った「フュージョン料理」の調理研修と支援を通じて、店の力を高めることを目的としました。フュージョン料理とは、異なる国や文化の食材・味付け・調理法を組み合わせて新しい一皿を作る料理のことです。

何をしたのか

題材に選ばれたのは「スコッチ・フィッシュ・エッグ」です。これはスコットランドの料理スコッチエッグ(ゆで卵をソーセージ肉で包んだもの)をもとに、ソーセージ肉の代わりにマグロ、ムロアジ、イワシの仲間、サワラといった地元の新鮮な魚のすり身で包むようにアレンジしたものです。地元の魚が選ばれたのは、豊漁期には近くの魚市場で豊富かつ手頃な価格で手に入ること、そのうま味が地元の人にも観光客にも合うことが理由とされています。

活動は、店側と一緒に課題を洗い出し、開発するメニューや日程を決める参加型の方法で進められました。学び方としては、講義で知識を得て、実演を見て、実際に手を動かすことを組み合わせる「体験型学習」が取り入れられています。2026年4月28日の研修には、店のオーナーと、調理や接客に直接関わる従業員の計10人が参加しました。講義では、フュージョン料理の考え方、新鮮な魚の選び方、魚の生臭さを抑える方法、すり身の配合、包み方、揚げる温度と時間、現代的な盛り付けに加え、作業手順書の意味や、個人の衛生と調理環境の清潔さ、分量を正確に定めた「標準レシピ」の重要性が扱われました。その後、大学の教員と学生の付き添いのもとで実際に調理を行い、最後に標準レシピ、制服、関連する資材が店に手渡されました。

さらに5月1日には、参加者のうち2人が、専門資格認定機関LSP PGSPと共同で実施された「デミシェフ」の能力試験を受けました。評価には、研修前後の理解度テスト、調理工程のチェックリスト、簡単な官能観察(食感やにおいの確認)、調理時間の記録、能力試験が用いられました。ただし論文によれば、点数の記録が十分に残っていなかったため、研修前後のテストの数値は詳しく示されておらず、評価は主に調理の観察、チェックリスト、能力試験の結果に基づいています。

主な結果

著者らの報告によると、実習に参加した人たちは、材料の準備から揚げる工程、盛り付けまでを自分たちで進めることができ、外側はサクッと、中はやわらかく、生臭さのないスコッチ・フィッシュ・エッグを作ることができました。

店には標準レシピと作業手順書が文書の手引きとして手渡されました。著者らは、これが味の安定と調理の効率化につながることを期待しているとしており、改善がすでに確認されたとは述べていません。

デミシェフの能力試験では、受験した2人が、材料の準備から調理、盛り付け、衛生管理まで、試験された項目をしっかりこなし、合格しました。ただし受験者が2人だけだったため、著者らはこの結果を店の従業員全体の能力向上とは見なしていません。

この取り組みが示すこと

著者らは、この新メニューが店を象徴する看板料理となり、周辺の店との差別化や競争力の向上、地域の資源を生かした創造的な経済の発展、地元の魚の持続的な利用につながる可能性があると述べています。

一方で、研修前後の数値による評価が十分に記録されていないこと、能力試験の受験者が2人に限られることを限界として挙げ、成果の主張は観察で確認できた範囲にとどめ、それ以外は引き続き確かめる必要がある可能性として位置づけています。この取り組みは、地元で手に入る魚と海外の料理の発想を組み合わせ、それを決まった手順やレシピとして店に残すことで、観光地の小さな飲食店が抱える課題に向き合おうとした実践例だといえます。

原著論文の著者・所属:Rudi Tri Handoko(Politeknik Negeri Banyuwangi)、Diana Martalia(Politeknik Negeri Banyuwangi)、Yulianandaris Yulianandaris(Politeknik Negeri Banyuwangi)、Nur Wulan Indah Sari(Politeknik Negeri Banyuwangi)、Ary Manis Anggreni(Politeknik Negeri Banyuwangi)、Neza Aulia Efendi(Politeknik Negeri Banyuwangi)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Rudi Tri Handoko, Diana Martalia, Yulianandaris Yulianandaris, Nur Wulan Indah Sari, Ary Manis Anggreni, Neza Aulia Efendi Pelatihan dan Pendampingan Scotch Fish Egg sebagai Menu Fusion Berbasis Ikan Lokal di Yogi Café & Resto, Pulau Merah, Banyuwangi. Pandawa Pusat Publikasi Hasil Pengabdian Masyarakat 2026-10-19. DOI: 10.61132/pandawa.v4i4.3127. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。