掲載誌:Jurnal Pengabdian Masyarakat Sains dan Teknologi
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
何を目指した活動か
インドネシアでは、子どもの成長の遅れ(スタンティング)が引き続き取り組むべき栄養課題とされています。原著によれば、2024年のインドネシア栄養状態調査では全国のスタンティング有病率は19.8%で、2023年の21.5%から低下したものの、家庭や地域を巻き込んだ継続的な予防の取り組みが必要だと報告されています。
著者らは、家庭で食材を選び、調理し、食卓に出す役割を担うことの多い母親に注目しました。そのうえで、東ジャワ州グレシック県メンガンティ村の家族福祉活動(PKK)に参加する女性たちを対象に、地元で手に入るトウモロコシを家庭の献立の一つとして活かす知識と技能を高めることを目的とした地域貢献活動を実施しました。活動名にある「ファン・クッキング」とは、楽しみながら一緒に料理する体験を、栄養教育の手段として用いる進め方を指します。
どのように進め、何を測ったか
活動は2026年8月21日、メンガンティ村の村役場で行われました。参加者は複数の集落を代表するPKKの女性30人です。進行は、まず事前テストで参加者の知識を把握し、続いてバランスのとれた食事の考え方、食品の多様性、地域食材の活用、トウモロコシの利用、スタンティングに関わる要因についての講義を行い、そのうえで実演、少人数のグループに分かれての指導つき調理実習、話し合い、事後テストという流れでした。
ナゲット作りの工程は、材料の下ごしらえ、生地の混ぜ合わせ、成形、蒸し、冷却、切り分け、衣付け、揚げという順序で進められました。使われた材料は、トウモロコシ、卵、小麦粉、タピオカ粉またはコーンスターチ、ニンニク、青ネギ、ニンジン、塩、コショウ、衣の材料、揚げ油で、調理器具はいずれも家庭にある一般的なものです。
評価は、バランスのとれた食事、食品の多様性、地域食材、トウモロコシの活用、スタンティングの理解という五つの指標について、事前・事後の得点を割合で示す形で行われました。著者ら自身が断っているとおり、この活動では製品の栄養成分分析、微生物学的な安全性の検査、保存性の試験は行っておらず、参加者個別のデータや統計的な検定も原著には示されていません。したがって結果は記述的な報告として提示されています。
報告された結果
原著の報告によると、知識の平均得点は活動前の55%から活動後には86%へと、31パーセントポイント上昇しました。指標別に見ると、伸びが最も大きかったのは地域食材に関する知識で、50%から88%へと38ポイント上がっています。次いでトウモロコシの活用が58%から90%へ、スタンティングの理解が52%から84%へと、いずれも32ポイントの上昇でした。バランスのとれた食事(60%から85%)と食品の多様性(55%から82%)も上昇が記録されています。
実習については、参加者が材料の準備から仕上げまでのナゲット作りの主要な工程をたどることができ、計画された流れに沿って最後まで実施できたと観察されています。参加者同士では、代わりに使える材料、保存の仕方、盛りつけの工夫についての話し合いも行われました。
この報告が示すこと
著者らは、講義と実際の調理体験を組み合わせることが、短期的な知識と技能の向上を支えうると述べています。同時に、この位置づけには慎重な線引きが添えられています。評価は活動直後に行われたもので、知識が中期的に保たれるか、家庭の食事づくりに実際に反映されるかまでは確かめられていません。また、知識が増えたことは、子どもの栄養状態が変わったことを示すものではないと明記されています。
トウモロコシのナゲットについても、著者らはスタンティングを防いだり解消したりする単独の手段ではなく、多様な献立のなかにある地域食材の調理法の一つとして位置づけています。一つの食材で子どもに必要な栄養素をすべてまかなうことはできず、たんぱく源や野菜、果物などと組み合わせることが前提だからです。身近な食材を使った手を動かす学びが、栄養の知識と日々の台所をつなぐ入口になりうること——それがこの活動から読み取れる報告の要点です。
著者:Misbahul Munir、Aqila Nuril Islam、Karina Amelia Syafara、Efrilia Lut Safitri、Ibtihal Azzatul Aliyah、Nasywa Mutiara Dewi、Orin Salsabillah Azza、Muhammad Faizul Anwar、Gisca Dwi Larasati、Dara Ayu Jenniferani、Riska Amalia Fitri Anisa、Dinda Nadia Maylaffaizha、Hardiyaningtiyah Deby Ayu、Oktaviano Indra Viki Setiawan、Ozi Pranata Sihombing、Ryan Aditya Ardana、Krisna Andrianto、Intan Santika Sari
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Misbahul Munir, Aqila Nuril Islam, Karina Amelia Syafara, Efrilia Lut Safitri, Ibtihal Azzatul Aliyah, Nasywa Mutiara Dewi, Orin Salsabillah Azza, Muhammad Faizul Anwar, Gisca Dwi Larasati, Dara Ayu Jenniferani, Riska Amalia Fitri Anisa, Dinda Nadia Maylaffaizha, Hardiyaningtiyah Deby Ayu, Oktaviano Indra Viki Setiawan, Ozi Pranata Sihombing, Ryan Aditya Ardana, Krisna Andrianto, Intan Santika Sari Fun Cooking Nugget Jagung sebagai Inovasi Pangan Lokal untuk Mendukung Gizi Seimbang. Jurnal Pengabdian Masyarakat Sains dan Teknologi 2026-09-25. DOI: 10.58169/jpmsaintek.v5i3.1197. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。