著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Teknik Pertanian Lampung (Journal of Agricultural Engineering)
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
揚げ物は、揚げる過程で生まれる独特の食感や香り、風味によって広く好まれています。一方で、揚げている最中や保存中に油脂が酸化すると、製品の品質が下がり、即席麺では油の劣化による嫌なにおいや味(油焼け、酸敗)が進みやすくなるおそれがあります。
この研究で著者らは、即席麺を揚げる油の「過酸化物価」について、許容できる上限値を明らかにしようとしました。過酸化物価とは、油が酸化し始めたときにできる過酸化物の量を示す指標で、値が大きいほど酸化が進んでいることを表します。著者らは、この上限を油そのものの化学的な性質ではなく、出来上がった即席麺の風味などの官能的な品質(人が味わったり嗅いだりして感じる品質)がどれだけ保たれるかにもとづいて決めることを目指しました。
何を調べたか
研究チームは、過酸化物価の異なる揚げ油で即席麺を作り、保存中に酸化による劣化がどのように進むかを評価しました。あわせて、油の過酸化物価と、油の電気の通しやすさを示す「電気伝導度」との関係も調べています。電気伝導度が過酸化物価と連動するかどうかを確かめることが、もう一つの検討課題でした。
主な結果
論文によると、保存中の官能的な品質の低下は「一次反応」と呼ばれる型の変化の進み方に当てはまりました。そのうえで、品質が低下する速さを表す値(反応速度定数)を比べたところ、最も低下が遅かったのは、過酸化物価が0.0〜5.0 meq O₂/kgの範囲の油を使ったグループでした。
さらに著者らは、過酸化物価が5 meq O₂/kgを超える揚げ油を使うと、保存中の即席麺の官能的な安定性が有意に低下したと報告しています。
一方、即席麺を加熱する工程では、過酸化物価と電気伝導度のあいだに有意な相関は見られませんでした。
研究が示すこと
著者らはこれらの結果から、即席麺業界で使う揚げ油の品質上限は、使用前の油の化学的な特性だけで決めるのではなく、最終製品の風味がどれだけ保たれるかという観点から設定すべきだと提案しています。油の良し悪しを、出来上がった食品の品質から逆算して考えるという視点を示した研究といえます。
原著論文の著者・所属:Bayu Firmansyah(IPB University)、Dede Robiatul Adawiyah(IPB University)、Dian Herawati(IPB University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Bayu Firmansyah, Dede Robiatul Adawiyah, Dian Herawati Determination of the Maximum Limits of Quality Parameters in Cooking Oil as a Contributor to Oxidative Damage in Instant Noodles. Jurnal Teknik Pertanian Lampung (Journal of Agricultural Engineering) 2026-10-27. DOI: 10.23960/jtepl.v15i5.1734-1742. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。