著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Lumbung Inovasi Jurnal Pengabdian kepada Masyarakat

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

活動の目的

著者らは、インドネシア・バリ州バドゥン県南クタのプチャトゥで鶏肉のアボンを作る小規模事業「Waroeng Jago」を対象に、生産と販売を支援する取り組みを報告しています。アボンは、肉をほぐして炒り揚げにした、でんぶやそぼろに近い保存性のある食品です。

抄録によると、この事業には二つの課題がありました。一つは、揚げる工程の攪拌を手作業で行っており、1回の生産につき2〜3時間、事業主の手がふさがっていたことです。もう一つは、販売方法が従来型で、商品のブランド表示もデジタル媒体もなかったことです。この取り組みは、生産工程での労働の効率化と、事業者がデジタル販売を始める準備を整えることを目的としていました。

取り組みの内容

著者らは、事業者が主体的に関わる参加型の進め方をとりました。まず説明会を開き、次に自動攪拌機を引き渡して使い方を指導しました。この攪拌機は、15ワットの直流モーターに減速用のギアボックスと速度調整機能を組み合わせたものです。

あわせて、ラベル貼りやパウチ(袋型容器)での包装の研修と、InstagramとTikTokを使った販売の研修を行いました。その後も伴走支援を続け、導入前後の変化を観察、聞き取り、満足度アンケートで評価しました。アンケートの回答者は6人です。

報告された主な結果

報告によると、揚げる工程のおよそ2時間にわたる攪拌は自動で行えるようになりました。事業主は付きっきりで混ぜ続ける必要がなくなり、その間に包装やラベル貼りを並行して進められるようになったとされています。

包装も変わりました。以前は無地のプラスチック容器に150グラム入りで販売していましたが、現在は「Waroeng Jago」のブランドラベル付きのパウチで販売しています。また、事業者はInstagramとTikTokのアカウントを開設し、注文の受付に使い始めたと報告されています。

満足度の評価では、評価全体のうち76.7%が「とても満足」、23.3%が「満足」でした。平均は4点満点で3.77点です。

この報告から分かること

この報告は、簡易な機械の導入によって、事業主が長時間の攪拌作業から手を離せるようになったことを示しています。あわせて、商品のブランド表示とSNSでの販売の準備が整ったことも示しています。

一方で著者らは、観察期間が短かったため、生産能力や売上の増加、SNS経由の販売への効果はまだ結論づけられないとしています。そのうえで、生産量と販売の記録、およびSNSの分析データの確認を続けることを勧めています。

原著論文の著者・所属:I Wayan Suma Wibawa(Politeknik Negeri Bali)、Ni Luh Ayu Kartika Yuniastari Sarja(Politeknik Negeri Bali)、Tyas Raharjeng Pamularsih(Politeknik Negeri Bali)、I.G.P. Fajar Pranadi Sudhana(Politeknik Negeri Bali)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):I Wayan Suma Wibawa, Ni Luh Ayu Kartika Yuniastari Sarja, Tyas Raharjeng Pamularsih, et al. PEMBERDAYAAN USAHA ABON MELALUI INOVASI TEKNOLOGI TEPAT GUNA DAN PENGUATAN PEMASARAN PRODUK DI KUTA SELATAN BADUNG. Lumbung Inovasi Jurnal Pengabdian kepada Masyarakat 2026-09-19. DOI: 10.36312/linov.v11i3.6675. 原著ライセンス:CC BY.