著者の所属・活動拠点の国は、中国、パキスタンです。

掲載誌:Food biomacromolecules.

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

玄米からぬかを削り取って白米にする工程を精米といいます。どこまで削るかを示す「精米度」によって、米の性質は大きく変わることが知られています。研究チームは、精米度が米粒の形や硬さ、炊飯時のふるまい、炊いたご飯の食感、加熱したときの粘りの出方に、どの程度強く影響するのかを、複数の品種で調べることを目的としました。

ここでの紹介は、公開されている論文の抄録に記載された内容に基づいています。

何を調べたか

研究チームは、早生のインディカ米、インディカ米、ジャポニカ米、インディカ系のもち米、ジャポニカ系のもち米の5品種を選びました。結果の分析では、これらをもち米と、もち米ではない米(うるち米)の2つのグループに分けて比較しています。

精米度を変えた米について、粒の長さ・幅・厚さといった形、粒の硬さや力を加えたときの割れやすさ、炊飯時の吸水や膨らみ、炊いたご飯の食感、そして米を水とともに加熱したときの粘度の変化(糊化特性)などを測定しました。

主な結果

精米度が高くなるにつれて、砕けずに完全な形で残る米粒の割合(整粒歩留まり)と、玄米から得られる精米の割合(精米歩留まり)が下がり、粒の厚さと硬さも低下しました。一方で、砕けた米の割合と軟らかさは増えたと報告されています。

著者らは、粒に力を加える測定と画像解析を組み合わせることで、整粒歩留まりをある程度良好に予測できたとしています。また、相関分析からは、整粒歩留まりが粒の長さ、幅、硬さ、そして力を加えて砕けたときの値と有意に関連していることが示されました。

炊飯に関しては、精米度が高いほど吸水の割合、炊飯による体積の増加、炊く際に煮汁へ溶け出す固形分の量がいずれも増えました。炊いたご飯の食感の分析では、精米度が上がるにつれて粘り気とゲルの強さが明らかに増し、ご飯の硬さは低下したと報告されています。

加熱時の粘度の変化については、うるち米のほうがもち米よりも全体的に高い粘度曲線を示しました。さらに、精米度が高くなるほど、最高粘度、最低粘度、粘度の落ち込み幅、冷却時の粘度の戻り、最終粘度といった指標がいずれも上昇しました。

研究が示すこと

この研究は、ぬかをどこまで削るかという精米の度合いが、米粒の割れやすさや歩留まりから、炊き上がりの食感、加熱時の粘りまで、幅広い性質にまとめて影響することを、もち米とうるち米を含む複数の品種で示したものです。精米度を米の品質を左右する重要な要素として捉える見方を、具体的な測定結果で裏づけた報告といえます。

原著論文の著者・所属:Saadia Zainab(School of Food and Strategic Reserves College of Food Science and Engineering Henan University of Technology Zhengzhou China)、Jiajing Han(School of Food and Strategic Reserves College of Food Science and Engineering Henan University of Technology Zhengzhou China)、Xianqing Zhou(School of Food and Strategic Reserves College of Food Science and Engineering Henan University of Technology Zhengzhou China)、Yurong Zhang(School of Food and Strategic Reserves College of Food Science and Engineering Henan University of Technology Zhengzhou China)、Saira Tanweer(Department of Food Science and Technology Faculty of Agriculture and Environment The Islamia University of Bahawalpur Punjab Pakistan)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Saadia Zainab, Jiajing Han, Xianqing Zhou, et al. Impact of degree of milling on physical, mechanical, cooking, textural, and pasting qualities of rice. Food biomacromolecules. 2026-10-23. DOI: 10.1002/fob2.70100. 原著ライセンス:CC BY.