著者の所属・活動拠点の国は、ロシアです。

掲載誌:Veredas do Direito Direito Ambiental e Desenvolvimento Sustentável

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

淡水ザリガニは、良質な動物性たんぱく質を多く含む食材として、養殖や食品加工の分野で注目されています。ただ、ゆでるなどの加熱処理をした後に、実際に食べられる身がどれだけ得られるかを種類ごとに比べたデータは多くありません。

そこで研究チームは、熱帯原産で養殖が広がっているオーストラリア原産のレッドクロウ・クレイフィッシュ(Cherax quadricarinatus)と、黒海やカスピ海周辺を原産とし、ヨーロッパで古くから漁獲されてきたナロークロウ・クレイフィッシュ(Pontastacus leptodactylus)を取り上げました。同じ条件でゆでたときの重さの減り方、食べられる身の量、味や見た目の評価を比べることを目的としています。

どのように調べたか

実験には、成熟した健康な個体を、レッドクロウ・クレイフィッシュは15匹、ナロークロウ・クレイフィッシュは17匹使いました。どちらも、水をろ過しながら循環させる養殖水槽で7日間飼育し、環境に慣らしました。水温は種類ごとの適温に合わせ、レッドクロウ・クレイフィッシュは27〜28℃、ナロークロウ・クレイフィッシュは13〜14℃に保ちました。加熱の24時間前からは餌を与えていません。

加熱前に1匹ずつ重さを量り、塩や黒こしょうなどを同じ分量で加えた沸騰水でゆでました。殻が厚くて硬いレッドクロウ・クレイフィッシュは20分、ナロークロウ・クレイフィッシュは16分です。冷ました後に再び重さを量り、食べられる部分である腹部の筋肉、いわゆる尾の身を取り出して量りました。そのうえで、ゆでたことによる重さの減少率と、ゆでた後の重さに占める身の割合を計算しました。さらに、訓練を受けた評価者が、外観、身の色、香り、食感、味、総合的な好ましさを点数で評価しました。

主な結果

レッドクロウ・クレイフィッシュの平均の重さは、ゆでる前が67.0グラム、ゆでた後が65.6グラムで、減少率は2.08%でした。ナロークロウ・クレイフィッシュは52.1グラムから50.1グラムになり、減少率は3.83%でした。著者らは、レッドクロウ・クレイフィッシュのほうが加熱中に重さが安定していたとし、その理由として殻や組織の構造が関係している可能性を挙げています。

取り出せた身の平均は、レッドクロウ・クレイフィッシュが13.5グラム、ナロークロウ・クレイフィッシュが5.5グラムで、前者のほうが約2.45倍多い結果でした。ゆでた後の重さに占める身の割合も、それぞれ20.6%と10.9%で、レッドクロウ・クレイフィッシュが上回りました。

味や見た目などを総合した平均点も、レッドクロウ・クレイフィッシュが4.85点、ナロークロウ・クレイフィッシュが4.25点で、前者のほうが高く評価されました。

研究が示すこと

この研究は、同じ方法でゆでたとき、2種のザリガニで食べられる身の量と食味の評価に差が出ることを、実際に量って比べたものです。研究チームは、身の量と食味の両方でレッドクロウ・クレイフィッシュが上回ったことから、管理された養殖環境で食用として育てる対象として、この種のほうが有望だと結論づけています。

原著論文の著者・所属:Dmitry Vladimirovich Rudoy(Agribusiness Faculty, Don State Technical University, Gagarin Square 1, Rostov-on-Don 344000, Russia; Research Laboratory «Agrobiotechnology Center», Don State Technical University, 344003 Rostov-on-Don, Russia)、Victoria Nikolaevna Shevchenko、Enkrina Erentsenovna Cholutaeva、Diana Slavikovna Sarkisyan

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Dmitry Vladimirovich Rudoy, Victoria Nikolaevna Shevchenko, Enkrina Erentsenovna Cholutaeva, et al. COMPARATIVE ASSESSMENT OF THE NUTRITIONAL VALUE OF FRESHWATER CRAYFISH CHERAX QUADRICARINATUS AND PONTASTACUS LEPTODACTYLUS AS A BASIS FOR A TECHNOLOGICAL APPROACH TO THEIR USE AS A FOOD PRODUCT. Veredas do Direito Direito Ambiental e Desenvolvimento Sustentável 2026-10-21. DOI: 10.18623/rvd.v23.8680. 原著ライセンス:CC BY.