著者の所属・活動拠点の国は、リトアニアです。

掲載誌:Ŭzbekiston suġurta bozori.

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

食文化は旅先への愛着とどう結びつくのか

伝統料理や地元の食材、受け継がれてきた調理法は、旅先の文化に触れる入り口にもなります。この研究で著者は、こうした食文化の遺産が、観光客の旅行動機や食の体験、満足度、そして「また訪れたい」「人に勧めたい」という意向とどのように結びつくかを調べました。

研究では、地域の料理や食に関する活動を体験した観光客に質問票調査を行いました。回答者は各項目について、どの程度同意するかを5段階で評価しました。著者は、食文化への評価や旅行動機、食体験、満足度、再訪・推薦意向の関係を統計的に分析しました。

文化を知る動機、食体験、満足度のつながり

著者は、地域の文化を知りたい、その土地ならではの体験をしたいという旅行動機と、食の体験との間に有意な関係があったと報告しています。こうした動機を持つ観光客は、市場を訪れる、伝統料理を味わう、食の祭りに参加する、生産者や地域住民と交流するといった活動に参加しやすいと説明しています。

また、郷土料理を、その土地に根差した、質が高く文化的な意味を持つ、記憶に残る体験として受け止めることは、旅行先への満足度の高さと結びついていました。著者は、満足した観光客ほど、再訪や他者への推薦に前向きになると報告しています。ここでいう旅行先への「ロイヤルティー」は、実際に再訪した回数ではなく、再び訪れたい、人に勧めたいという意向を指します。

料理を通して地域の文化を伝える意味

論文が重視しているのは、料理そのものだけでなく、その背景を含めた体験です。伝統的な調理法、地元の食材、料理にまつわる物語や習慣が、その土地らしさを伝え、ほかの旅行先との違いを生むと著者は論じています。地域住民や料理人、生産者の参加も、食を文化や暮らしの文脈で体験してもらううえで重要だとしています。

研究が伝えるのは、地域の食文化は旅の付け足しではなく、満足度や再訪・推薦意向に関わる観光資源だということです。著者は、その魅力を生かす際にも、観光向けの過度な画一化によって、その土地らしさや文化的価値を損なわないことが大切だと結んでいます。

原著論文の著者・所属:Yoʻldoshev, Oybek Sherali(Student at the Silk Road International University of Tourism and Cultural Heritage)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Yoʻldoshev, Oybek Sherali. CULINARY HERITAGE AS A TOURISM ASSET: TOURIST MOTIVATIONS AND DESTINATION LOYALTY IN GASTRONOMY TOURISM. Ŭzbekiston suġurta bozori. 2026-11-01. DOI: 10.5281/zenodo.23911597. 原著ライセンス:CC BY.