掲載誌:Ekodestinasi
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
地域の芋を現代のデザートに
チレンブ芋は、インドネシア・西ジャワ州スメダン県のチレンブ村で知られるサツマイモです。焼くと蜜のようなとろりとした液が出るほど甘くなり、キャラメルのような独特の香りを持ちます。研究チームは、この芋が地域の食材として新しい食品づくりに生かせる可能性を持ちながら、現代的なデザートにはまだあまり使われていない点に注目しました。
そこで著者らは、チレンブ芋を使ったチーズケーキを試作し、1997〜2012年生まれのZ世代がこれをどの程度受け入れるかを調べました。研究の目的は、芋の配合割合が異なる3種類のケーキの風味や食感を比べること、最も好まれる配合を決めること、そしてその配合がZ世代にどう評価されるかを明らかにすることです。
専門家の評価から消費者の試食へ
試作したのは、チーズケーキの中身(フィリング)の重さのうち30%、70%、100%をチレンブ芋に置き換えた3種類です。芋自体に甘みがあるため、芋の割合を増やすほど加える砂糖を減らし、100%の配合では砂糖を加えていません。
調査は二段階で行われました。まず、菓子づくりの訓練を受けた3人の評価者に3種類を試食してもらい、香り、甘さ、色、食感、全体的な受け入れやすさについて聞き取りを行いました。ここで選ばれた配合を、次の段階でZ世代の消費者71人に実際に試食してもらい、5段階の評価で好みを尋ねました。消費者は、ジャカルタ在住で、一般的なクラシックチーズケーキ(ビスケット生地の土台にクリームチーズのフィリングを重ねて焼いたもの)を食べたことがある人から選ばれています。
30%配合が最も好まれた
専門の評価者による試食では、30%配合は香りや甘さ、色、食感のいずれも従来のクラシックチーズケーキに最も近いと受け止められました。70%配合では芋とチーズの香りや味がほどよく釣り合う一方、100%配合では芋の香りが強く出すぎ、甘さはチーズのコクのある塩味に隠れて物足りず、色は淡く見栄えが劣り、食感はマッシュポテトのようだと評価されました。3人のうち2人がすべての項目で30%配合を最も好んだため、これが次の段階に進む配合に選ばれました。
Z世代71人による試食では、30%配合の5つの評価項目の平均は5点満点で3.77でした。最も高かったのは全体的な受け入れやすさで平均3.98、回答の88%が肯定的な評価でした。続いて食感3.79、香り3.78、色3.76となり、味は3.55と最も低くなりました。味の項目は、5項目の中で「どちらとも言えない」という回答の割合が38%と最も高く、否定的な回答が見られた唯一の項目でもありました。著者らは、クリームチーズの塩気と芋の自然な甘さの釣り合いが、まだクラシックチーズケーキほどには整っていない可能性を指摘しています。
地域食材を生かすデザートとしての手応え
研究チームは、チレンブ芋を30%使ったチーズケーキはZ世代に良好に受け入れられたと結論づけています。地域の農産物を、若い世代になじみのある洋風デザートに取り入れられる手応えを示した一方で、味のバランスにはまだ改善の余地があることも明らかになりました。なお、消費者による評価は30%配合だけで行われており、配合ごとの好みの違いを消費者の評価で統計的に比べたものではない点も、著者ら自身が述べています。
原著論文の著者・所属:Syamsul Dwi Putra(Universitas Pertiwi)、Ratih Dwi Astuti(Universitas Pertiwi)、Latif(Universitas Pertiwi)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Syamsul Dwi Putra, Ratih Dwi Astuti, Latif Daya Terima Generasi Z terhadap Inovasi Produk Cheesecake Berbahan Dasar Ubi Cilembu. Ekodestinasi 2026-08-30. DOI: 10.59996/ekodestinasi.v4i2.1237. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。