この研究は、サウジアラビアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Nutrients
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
食事のあり方は、人の健康だけでなく地球環境にも関わるとされています。著者らは、持続可能な食事パターンを広めるうえで管理栄養士(ダイエティシャン)が重要な役割を担うと位置づけています。
論文によれば、食の持続可能性に関する知識・態度・実践(KAP)を管理栄養士について調べた研究はこれまでにもありますが、中東からの知見は乏しく、サウジアラビアでは実施されていませんでした。そこで著者らは、サウジアラビアの管理栄養士を対象に、持続可能な食事パターンに関する知識・態度・実践と、本人の食事の実態を評価することを目的として本研究を行いました。
調べ方と主な報告結果
研究チームは、オンラインの構造化された質問票を配布し、自己申告による情報を集めました。尋ねた内容は、食の持続可能性に関する知識と本人が感じている理解度、主要な概念をどれくらい重要だと考えているか、実際の行動、そして食品の摂取状況です。最終的に221人の管理栄養士が回答を完了しました。
報告によると、回答者は健康志向で実践しやすい持続可能性の行動、とくに食品ロスの削減、果物と野菜の摂取、価格の手ごろさに関わる選択に、より多く取り組んでいました。一方で、食の持続可能性の概念のうち環境面の指標(食品が環境にかける負荷を測るものさし)については、知識やなじみの薄さが確認されたとしています。
食品の摂取については、動物性食品を食べる頻度が高く、果物・野菜・豆類・ナッツ類は中程度、植物由来の代替食品の利用は少ない、という特徴が報告されました。
著者らが述べる意味
著者らは結論として、サウジアラビアの管理栄養士は食の持続可能性に対しておおむね好意的な態度を示していたと述べています。ただし、環境面の持続可能性について自分の知識や実践を高く見積もる傾向がある一方で、事実としての知識には隔たりがあり、そうした点は必ずしも持続可能な食品摂取行動には結びついていませんでした。
この結果から著者らは、環境に関わる概念を含めた食の持続可能性を栄養教育や専門職の継続教育に組み込むことが、知識と実践のあいだの隔たりを埋める方策になりうると指摘しています。態度が前向きであることと、日々の食の選択が変わることは、同じではない――本研究が示しているのはその点です。
著者:Abeer Aljahdali(Department of Clinical Nutrition, King Abdulaziz University, Jeddah 21589, Saudi Arabia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Abeer Aljahdali. Food Sustainability Among Dietitians in Saudi Arabia: Assessment of Knowledge, Attitudes, Practices, and Food Consumption. Nutrients 2026-09-10. DOI: 10.3390/nu18182966. 原著ライセンス:CC BY.