研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
小学校での海洋ごみ授業は何を変えたか——神戸の5年生を対象にした研究の報告
海洋ごみは世界的な環境課題であり、なかでもプラスチックは分解されにくく、時間をかけて細かい破片になって海の生態系に蓄積していきます。研究チームは、この問題の長期的な解決は廃棄物処理の仕組みや政策だけでは足りず、人々の認識や日常の行動が変わるかどうかにも左右されると述べています。日本は廃棄物管理の体制…
公開日: 2026年10月01日 19:56
魚のアレルゲン「パルブアルブミン」は加熱でどう変わるか——20種の魚で調べた研究
魚アレルギーの主な原因物質として知られているのが、パルブアルブミンというタンパク質です。分子量は約11〜12キロダルトンで、カルシウムイオンと結びつく性質を持ち、多くの硬骨魚の筋肉に含まれています。論文によれば、魚アレルギー患者の半数以上がこのタンパク質に反応する検査結果を示すと報告されており、しか…
公開日: 2026年09月30日 09:20
食物アレルギーのある友だちがいるクラスで、園児の理解はどう違ったか——デジタル食育教材を用いた研究の紹介
食物アレルギーは近年、公衆衛生上の重要な課題とされています。論文の冒頭では、先進国では人口の約10%が何らかの食物アレルギーをもつとされ、日本でも増加傾向がみられ、患者全体のうち0〜6歳の乳幼児・就学前の子どもが約74%を占めると報告されています。食物アレルギーのある子どもは、誤って原因食物を口にし…
公開日: 2026年09月30日 06:18
避難先の住宅団地で続く住民主体の料理教室——福島の原発避難者への聞き取り調査から
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故により、多くの住民が長期の避難生活を余儀なくされました。避難所から仮設住宅、そして災害公営住宅へと住まいが移るたびに、それまで築かれた地域のつながりはいったん解け、慣れない環境で人間関係を結び直す必要がありました。震災前に同居していた家族が離れて暮らす…
公開日: 2026年09月26日 00:07
水銀耐性遺伝子merAを手がかりに環境汚染を探る――日本・ベトナム・ガーナの比較調査
水銀は、鉱山開発などの人間活動に加え、火山活動や森林火災といった自然現象によっても環境中に放出される汚染物質です。研究チームによれば、とくにガーナのような国で行われる小規模金採掘は、世界の水銀排出の大きな要因のひとつとされています。汚染された環境で主にみられる無機水銀(Hg(II))は、細胞内の重要…
公開日: 2026年09月21日 05:31
イネの病気に強い遺伝子を調べるための「標準イネ」――白葉枯病といもち病に対する準同質遺伝子系統の歩み
イネには、細菌が引き起こす白葉枯病(はくようがれびょう)と、カビが引き起こすいもち病という、収量を大きく減らす二つの病気があります。どちらも、イネがもつ「抵抗性遺伝子」によって防げる場合がありますが、病原体の側も性質が変わっていくため、どの遺伝子が今どこで効くのかを正確に知る手立てが必要になります。
公開日: 2026年09月16日 05:35
低温での下処理に「細胞膜の通しやすさ」を加える——パルス電界を使ったニンジンの食感研究
野菜を高温で加熱すると組織はやわらかく崩れてしまいます。これを抑える方法のひとつが「低温ブランチング」と呼ばれる下処理で、加熱調理や殺菌の前に50〜60℃程度の中温で野菜をしばらく置いておくというものです。添加物を使わずに食感を保てるため、余計な材料を加えない加工の要求にも合う手法として使われてきま…
公開日: 2026年09月14日 20:01
タイ北部のマンゴーから検出された農薬残留、日本の研究者も参加した調査で急性・慢性リスクを評価
マンゴーは追熟すると皮ごと手軽に食べられる人気の果物ですが、栽培過程では害虫や病気を防ぐために農薬が繰り返し散布されることがあります。タイ北部下部地域(ピチット県、ピッサヌローク県、ペッチャブーン県)で生産される「ナムドークマイ」種のマンゴーを対象に、農薬残留の実態と、それを食べた場合の健康リスクを…
公開日: 2026年09月08日 06:23
モモアレルギーの新たな手がかり:GRPやLTPに反応しない患者で見つかった未知のタンパク質「FKBP20-1」
モモを食べてアレルギー症状が出る場合、これまでの研究では「ジベレリン制御タンパク質(GRP、Pru p 7)」や「脂質輸送タンパク質(LTP、Pru p 3)」というタンパク質に対する感作(IgE抗体ができている状態)が、重い全身症状を起こしやすい患者を見分ける手がかりとされてきました。GRPは日本…
公開日: 2026年09月08日 05:26
アサリで起きた消化管アレルギー、リンパ球検査と少量負荷試験で診断できた一例
エビやカニだけでなく、貝類も子どもの消化管アレルギーの原因になることがあります。今回紹介するのは、アサリを食べた後に嘔吐を繰り返した6歳女児について、血液検査の一種と少量の食物負荷試験を組み合わせて診断に至った症例報告です。舞台は栃木県の獨協医科大学の小児科および獨協医科大学病院アレルギーセンターで…
公開日: 2026年09月02日 11:31
福島の森でキノコ栽培は再開できるか 露地の菌床栽培2種で放射性セシウムを測定
キノコは山の恵みとして親しまれてきた食材ですが、2011年の福島第一原発事故以降、放射性セシウムによる汚染が野外での栽培や採取を難しくしてきました。特に、土壌や落ち葉に直接触れる形で屋外に菌床を置く「露地の菌床栽培」については、キノコがどれくらい放射性セシウムを取り込むのかが十分にわかっておらず、栽…
公開日: 2026年09月02日 06:28
食品を扱う健康な人からもカンピロバクター検出、薬剤耐性と菌株の変遷を調査
カンピロバクターは、鶏肉などの食品を介して人に下痢や腸炎を引き起こす代表的な細菌の一つです。世界的に抗菌薬が効きにくい耐性菌の広がりが問題視されており、なかでもフルオロキノロン系抗菌薬に耐性を持つカンピロバクターは、優先的に監視すべき薬剤耐性菌として位置づけられています。今回、広島大学大学院統合生命…
公開日: 2026年09月02日 02:26