研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
食事や生活習慣と腸内細菌の多様性・構成の関係を探った小規模予備研究:将来の長期追跡研究の設計に向けて
腸内細菌の顔ぶれは、健康な人同士でも大きく異なります。食事や運動、睡眠といった自分で変えられる生活習慣がこの違いに関わる可能性は以前から指摘されてきました。ただ、これらの要因は別々に調べられることが多く、互いに関連し合う習慣をまとめて扱った研究は限られていました。
公開日: 2026年10月16日 05:45
大西洋岸森林の果実で風味づけしたコンブチャは消化管と腸内細菌にどう作用するか:試験管内モデルによる探索的研究
腸内細菌叢は代謝や免疫、神経の働きに関わり、食事の成分を分解してさまざまな物質をつくり出します。発酵食品は、発酵で生じた成分や微生物を通じて腸内細菌叢に働きかける可能性があるとして注目されています。コンブチャは、砂糖を加えた紅茶や緑茶を、酢酸菌・乳酸菌・酵母が共生する培養体(SCOBY)で発酵させた…
公開日: 2026年10月13日 05:08
発酵食品の香りをつくる乳酸菌――Lactiplantibacillus plantarumの揮発性成分を食品別に整理した総説
ヨーグルト、漬物、発酵ソーセージなど、世界中の発酵食品づくりに使われてきた乳酸菌の一つに、Lactiplantibacillus plantarum(ラクティプランティバチルス・プランタルム)という種があります。この細菌は、野菜や果物からチーズ、肉、魚、さらにはヒトの消化管まで、きわめて幅広い環境に…
公開日: 2026年10月03日 07:26
食事と機能性ディスペプシアの関係を整理した総説
食後の強い膨満感、少量で満腹になる早期飽満感、上腹部の痛みや焼ける感じが続き、日常生活に支障が出ることがあります。検査で説明できる器質的な病気が見つからず、診断基準を満たす場合、この状態は機能性ディスペプシア(FD)と呼ばれます。著者らは、FDの世界的な有病率をローマIV基準で約6.8%と報告された…
公開日: 2026年09月30日 08:19
学校生活におけるセリアック病の子どもたち——設備・人間関係・栄養の課題を整理した総説
セリアック病は、小麦・大麦・ライ麦に含まれるグルテンを食べることをきっかけに、遺伝的な素因を持つ人に起こる全身性の自己免疫疾患です。消化されにくいグルテンの断片(グリアジン)が腸の粘膜の内側に入り込み、免疫反応の連鎖を引き起こして小腸の絨毛(栄養を吸収するひだ状の組織)を少しずつ損なうため、栄養の吸…
公開日: 2026年09月29日 13:24
アフリカの発酵食品における微生物叢とカビ毒の関係を調べる:パイロットデータセットの報告
この文書は、ある研究プロジェクトの作業パッケージ4(WP4)で作成されたデータセットについて報告する成果物(Deliverable 4.1)です。著者らが対象としたのは、アフリカの発酵食品に含まれる微生物叢(マイクロバイオータ)の特徴づけと、それらの食品におけるカビ毒(マイコトキシン)の量を減らせる…
公開日: 2026年09月29日 05:59
「食べ物のパラドックス」——他の生き物に由来する物質は、どのようにして自分の一部になるのか
著者らは、生き物が生きるために欠かせない食べ物が、そもそも他の生物に由来する生物学的な物質であるという点に注目しています。食べ物に含まれるタンパク質、多糖、脂質といった大きな分子(高分子)は、そのままの形では人のからだの分子とは構造が異なるため、消化される前の段階では「非自己」、つまり自分のものでは…
公開日: 2026年09月29日 04:55
特定のプレバイオティクス繊維の摂取と大腸がんリスクとの関連――イタリアの症例対照研究
食物繊維の摂取が多いほど大腸がんのリスクが低いことは、これまでにも報告されてきました。この研究が着目したのは、そうした食物繊維の中でも「プレバイオティクス繊維」と呼ばれる一群です。プレバイオティクス繊維とは、人の消化酵素では分解されず、腸内細菌に選択的に利用される成分を指し、腸内環境の維持に関わる可…
公開日: 2026年09月25日 15:46
白ワインの「果皮ごと発酵」と発酵後の酸素接触が成分と味わいに与える影響
白ワインの伝統的な造り方では、搾ったぶどう果汁を果皮からすばやく分け、香りを守りつつ渋みのもととなる成分(フェノール化合物)が出すぎないようにしてきました。しかし近年、果皮を漬け込んだまま発酵させる「発酵中のスキンコンタクト(醸し)」が実践と研究の両面で関心を集めています。研究チームは、この手法が白…
公開日: 2026年09月17日 11:13
ハンガリーのサワーチェリー在来品種を対象に、果実の色・総ポリフェノール量・香り成分を調べた研究
サワーチェリー(Prunus cerasus L.)は、東ヨーロッパや中央アジアなど温帯地域で広く栽培されている果樹です。研究チームによれば、ハンガリーは主要な生産地のひとつで、商品性を判断するうえで重視されるのは主に果実の色と風味の特徴、とりわけ甘味と酸味のバランスだとされています。
公開日: 2026年09月15日 06:51
ブラジル・カアチンガ地域の伝統的コアーリョチーズ、微生物の多様性をDNA解析で調べる
ブラジル北東部リオ・グランデ・ド・ノルテ州のセリド地方は、乾燥した半乾燥地帯「カアチンガ」に属し、家族経営の酪農と伝統チーズづくりが地域の暮らしを支えてきました。なかでも「コアーリョチーズ」は、生乳にレンネット(凝乳酵素)を加えて固める伝統製法で作られる名物チーズです。ただし作り手によって原料や処理…
公開日: 2026年09月04日 11:28
ヴィンサント醸造の乱れをどう抑えるか 酵母2種の混合スターターを試した研究
イタリア・トスカーナ地方の伝統的な甘口ワイン「ヴィンサント」は、収穫後に陰干しした干しブドウを使い、樽の中でゆっくりと時間をかけて発酵させる独特の製法で造られます。ところがこの製法には昔からの悩みがあります。糖度が非常に高い干しブドウの果汁は微生物にとって過酷な環境になりやすく、発酵が途中で止まった…
公開日: 2026年09月03日 08:34