著者の所属・活動拠点の国は、イラクです。
掲載誌:International Journal of Nutrology
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
血液中の成分と生活習慣を調べる
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵の不調や男性ホルモンの過剰などを特徴とする病気です。研究チームは、イラクのバビロン県で、PCOSの女性と健康な女性の血液中のビタミンD、カルシウム、男性ホルモンの一つであるテストステロンを比較しました。また、体格や食生活、身体活動などがPCOSとどのように関連するかを調べました。
PCOSの女性40人と健康な女性40人を比較
研究は、2023年10月から2024年4月に同県の病院で募った計80人を対象に行われました。研究チームは血液中の各成分を測定し、身長と体重から算出する体格指数(BMI)で体格を分類しました。さらに、生活習慣などの要因とPCOSとの関連を、複数の要因を考慮した統計解析で検討しました。
PCOS群では健康な女性の群に比べ、血清ビタミンDの平均値が19.74対26.42 ng/mL、カルシウムが7.77対9.46 mg/dLと低く、テストステロンは1.28対1.02 nmol/Lと高い値でした。これらの差はいずれも統計的に有意でした。また、過体重または肥満に該当する女性の割合は、PCOS群で65.0%、対照群で30.0%でした。
栄養状態や食生活との関連が示された
複数の要因を考慮した解析では、肥満と不規則な食生活が、それぞれPCOSと独立して関連していたと著者らは報告しています。ただし、この研究はPCOSの有無によって女性を比較したもので、これらの要因がPCOSの原因だと示したわけではありません。
著者らは、結果がPCOSの診療に栄養状態の把握、ビタミンDやカルシウムの評価、体重や食生活についての助言を取り入れることを支持すると述べています。今回の比較は、PCOSをホルモンの変化だけでなく、栄養状態や生活習慣との関わりから捉える意味を示しています。
原著論文の著者・所属:Salena Abdulabbas Naser(Al-Furat Al-Awsat Technical University. Technical Institute of Babylon. Department of Community Health Techniques, Babylon 51015, Iraq)、Ali Kareem Hameed(Al-Furat Al-Awsat Technical University. Technical Institute of Babylon. Department of Community Health Techniques, Babylon 51015, Iraq)、Ali Moojid Fadheel(Al-Furat Al-Awsat Technical University. Technical Institute of Babylon. Department of Medical Laboratory Techniques, Babylon 51015, Iraq)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Salena Abdulabbas Naser, Ali Kareem Hameed, Ali Moojid Fadheel. Assessment of serum vitamin D and testosterone levels in women with polycystic ovary syndrome in Babylon Province, Iraq: a case–control study. International Journal of Nutrology 2026-10-31. DOI: 10.54448/ijn26412. 原著ライセンス:CC BY.