著者の所属・活動拠点の国は、インドです。
掲載誌:International Journal For Multidisciplinary Research
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
著者は、インドとスリランカの貿易・投資関係の発展を振り返り、両国の間で取引を広げられる品目を明らかにしようとしました。隣接する両国が、それぞれの輸出の強みと相手国の輸入需要を組み合わせることで、どのような貿易の可能性を持つかが中心的な問いです。
何を、どのように調べたか
論文は2006~2026年を分析対象期間とし、インドの省庁の年次報告、国連の貿易統計データベース、国際貿易センターのTrade Mapなど、既存の資料や統計を用いて両国の貿易を品目別に調べました。
分析では、輸出の強みを示す「顕示比較優位指数(RCA)」と、輸入への依存の程度を示す「RID」を組み合わせました。RCAは、ある品目がその国の輸出全体に占める割合を、世界の輸出における同じ品目の割合と比べた指標です。1を超えると、その品目に輸出上の比較優位があると判断します。著者は、輸出する国のRCAと、相手国のRIDがともに1を超える品目を、貿易拡大の候補として抽出しました。いずれの指標も金額や割合そのものではなく、単位のない指数です。
主な報告結果
著者は、インドが約1,500品目で輸出上の比較優位を持ち、そのうち707品目でスリランカ側のRIDも1を超えると報告しました。反対方向では、スリランカが852品目で比較優位を持ち、そのうち157品目でインド側のRIDも1を超えました。論文は、両方向に貿易を広げる余地があるとしています。
インドからスリランカへの輸出候補には、ココナツ繊維の床敷物、ターメリック、ジュート製品、綿糸やココナツ繊維の糸などが挙がりました。例えばターメリックは、インドのRCAが44.8、スリランカのRIDが23.6でした。一方、ココナツ繊維の床敷物は、それぞれ47.1と1.8で、インドの輸出上の強みが大きくても、相手国の輸入依存の程度は品目によって異なっていました。
スリランカからインドへの輸出候補には、クローブ、ナツメグ、油を搾った後に残る油かす、コプラなどが含まれました。クローブはスリランカのRCAが112.9、インドのRIDが6.5、ナツメグはそれぞれ73.2と1.4でした。著者は、香辛料だけでなく、繊維製品、鉱物、工業用の部品や原材料にも、相手国の需要に対応できる品目があると報告しています。
この報告が示すこと
著者は、一方の国が輸出を得意とする品目と、他方の国が輸入を必要とする品目に重なりがあり、両国の経済は補い合う関係にあると結論づけています。ここで示されたのは、貿易統計上の強みと需要を照合した取引候補であり、輸出が実際にどれだけ増加したかという成果ではありません。
政策面では、スリランカがインドの第三国からの輸入需要に目を向けて輸出を増やすことや、両国が関税優遇の対象から除外する品目のリストを縮小することを提案しています。この報告は、貿易拡大を考える際に、両国の取引総額だけでなく、品目ごとの強みと需要の組み合わせを見る意味を示しています。
原著論文の著者・所属:Gagan Deep(Assistant Professor, University School of Applied Management , Punjabi University Patiala)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Gagan Deep Expanding Bilateral Trade Horizons: Identifying Mutually Tradable Products Between India and Sri Lanka. International Journal For Multidisciplinary Research 2026-10-31. DOI: 10.36948/ijfmr.2026.v08i05.91233. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。