著者の所属・活動拠点の国は、スペインです。

掲載誌:Nutrition

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

「プラネタリーヘルス・ダイエット(PHD)」は、人の健康と環境の健康の両方を守ることを目指し、地球が持続可能に耐えられる範囲(プラネタリー・バウンダリー)に沿う食事のあり方として提案されてきた食事パターンです。

研究チームは、スペインの大学生がこの食事パターンにどの程度沿った食生活をしているかを評価しようとしました。あわせて、年齢や居住環境などの社会的な属性、生活習慣、持続可能な食事についての受け止め方のうち、どれが食生活の沿い具合と関連しているかを明らかにすることも目的としました。

どのように調べたか

研究は、2024〜2025年度にスペインの大学生を対象に、ある一時点での状況を調べる横断研究として行われました。対象は18歳以上で、本人の申告により慢性疾患や摂食障害がなく、妊娠中・授乳中でない学生です。

参加者は自分で回答する質問票に答えました。質問票には、社会的な属性と身長・体重などの体格に関する項目、生活習慣、持続可能な食事についての受け止め方、そして食品をどのくらいの頻度で食べているかを尋ねる「食物摂取頻度調査票」による食事内容が含まれていました。

食生活がPHDにどの程度沿っているかは「プラネタリーヘルス・ダイエット指数(PHDI)」という点数で評価されました。満点は150点です。この指数には妥当性が確認された区切りの基準がまだないため、著者らは分析の前にあらかじめ遵守度の段階を定め、低い段階から高い段階へと順序のある形で分析できるようにしました。

主な結果

抄録によると、学生のPHDIの平均点は150点満点中58.6点(標準偏差13.85)でした。

一つずつ要因を見た分析では、年齢、専攻分野、住まいの種類、住んでいる自治体の規模、身体活動の程度が、PHDIの点数と関連していました。

次に、複数の要因を同時に考慮し、年齢と総エネルギー摂取量の影響を調整した分析が行われました。その結果、激しい身体活動は、PHDへのより高い遵守度と独立して関連しており、その度合いを示すオッズ比は2.18(95%信頼区間1.50〜3.17)でした。オッズ比は、ある条件の人がより高い遵守度の段階に入る見込みが何倍かを表す指標で、1より大きければ見込みが高いことを意味します。

一方、健康科学系以外の専攻の学生は、健康科学系の学生と比べて、より高い遵守度の段階に入る見込みが低く、オッズ比は0.73(95%信頼区間0.54〜0.98)でした。なお、持続可能な食事についての受け止め方も調査項目に含まれていましたが、その関連についての具体的な結果は抄録には示されていません。

この研究が示すこと

著者らは、スペインの大学生のPHDIの平均点が150点満点中58.6点であったこと、そして身体活動の多さと健康科学系の専攻が、より高い遵守度と独立して関連する要因として浮かび上がったことを結論としています。

ただし、この研究は一時点の調査であり、示されたのは関連であって、運動や専攻が食生活を変える原因であると確かめたものではありません。著者らは、公衆衛生に役立つ可能性を示唆しつつも、時間を追って同じ人を調べる縦断研究での確認が必要だと述べています。

原著論文の著者・所属:Paula Marrero-Fernández(Department of Chemical Engineering and Pharmaceutical Technology, University of La Laguna, Avda. Astrofísico Francisco Sánchez s/n, Santa Cruz de Tenerife, Spain. Electronic address: [email protected])、Míriam Torres-Moreno(Research Group M3O, Methodology, Methods, Models and Outcomes of Health and Social Sciences, Faculty of Health Sciences and Welfare, University of Vic-Central University of Catalonia, Vic, Spain)、Francisco Manuel Ocaña-Peinado(Department of Statistics and Operations Research, University of Granada, Granada, Spain)、Miguel López-Moreno(Diet, Planetary Health and Performance, Faculty of Health Sciences, University Francisco de Vitoria, Madrid, Spain; Institute of Health and Sport Sciences, Faculty of Health Science, University Francisco de Vitoria, Madrid, Spain)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Paula Marrero-Fernández, Míriam Torres-Moreno, Francisco Manuel Ocaña-Peinado, et al. Planetary Health Diet adherence among Spanish university students: associations with lifestyle and sustainability perception. Nutrition 2026-08-13. DOI: 10.1016/j.nut.2026.113382. 原著ライセンス:CC BY.