著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Kesehatan Masyarakat Indonesia (JKMI)

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

インドネシアの研究チームは、甘い食べ物を食べる頻度と「随時血糖値」との関係を、地域で暮らす40〜60歳の人々を対象に調べました。随時血糖値とは、食事の時間に関係なく、測定したその時点での血液中のブドウ糖の濃度を指します。

著者らによると、食生活と血糖値の関係を扱ったこれまでの研究の多くは、糖尿病の患者や特定のリスクをもつ人を対象としていたか、糖尿病の発症そのものを結果として扱っていました。また、炭水化物や甘い飲み物、食生活全体などをまとめて評価する研究が中心で、甘い食べ物を食べる頻度だけに注目した研究は少なかったといいます。そこで研究チームは、糖尿病の既往がない地域住民に対象を絞り、甘い食べ物の摂取頻度と実際に測った血糖値との関連を確かめることを目的としました。

何をどのように調べたか

調査はワルンチナ地区のある町内区域で行われ、条件を満たす住民35人の中から、40〜60歳で糖尿病の既往がなく、質問票への回答と血糖測定に同意した26人が参加しました。男女は13人ずつで、40代が15人、50〜60歳が11人でした。

甘い食べ物の摂取頻度は、食物摂取頻度調査票と呼ばれる形式を地域の食習慣に合わせて作り直した質問票で尋ねました。対象としたのは、マルタバ・マニス(甘い厚焼きのお菓子)、ドーナツ、菓子パン、甘いトースト、スポンジケーキ、ビスケット、ウエハース、飴、プリン、伝統的な甘い菓子の10品目です。過去1か月にそれぞれをどのくらいの頻度で食べたかを「食べなかった」から「週5回以上」までの5段階で0〜4点とし、合計点(0〜40点)を各人の摂取頻度の値としました。なお、1回に食べる量は考慮していません。

血糖値は、その場ですぐに結果が出る簡易測定器を使い、指先から採った少量の血液で測りました。参加者に絶食は求めず、最後に食事や飲み物をとった時刻を記録したうえで測定しています。そのうえで、摂取頻度の点数と血糖値との間にどの程度の関連があるかを統計的に分析しました。

主な結果

分析の結果、甘い食べ物を食べる頻度と随時血糖値の間には、統計的に意味のある関連が見られたと報告されています。関連の強さを示す相関係数は0.536で、著者らはこれを「中程度の正の関連」と位置づけました。つまり、今回の参加者では、甘い食べ物を食べる頻度が高い人ほど、随時血糖値も高い傾向がありました。

一方で著者らは、この結果はあくまで関連を示すもので、甘い食べ物を頻繁に食べることが血糖値を上げる原因だと証明したものではないと強調しています。摂取頻度と血糖値を同じ時期に一度だけ調べたため、どちらが先に起きたのかは分からないからです。また、関連の強さが中程度であることから、血糖値のばらつきには摂取頻度以外の要因も関わっていると考えられます。

研究の限界と意味

著者らは研究の限界として、参加者が26人と少なく一つの地域に限られていること、質問票が食べた量や実際の糖分量を反映しておらず記憶に頼っていること、随時血糖値は測定直前の食事などに左右される一時点の値であることを挙げています。さらに、運動量や体格(体格指数)、家族歴、服薬などの影響は分析に含まれていません。

こうした制約はあるものの、この研究は、糖尿病と診断されていない中高年の地域住民において、甘い食べ物を食べる頻度と測定時の血糖値が連動して見られることを、地域レベルの実測データとして示しました。日々の甘い食べ物の習慣と血糖の状態とのつながりを考えるうえで、身近な手がかりとなる報告といえます。

原著論文の著者・所属:Fibri Laiysa Putri(Politeknik Piksi Ganesha)、Restiani Alia Pratiwi(Politeknik Piksi Ganesha)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Fibri Laiysa Putri, Restiani Alia Pratiwi. HUBUNGAN KADAR GLUKOSA DARAH SEWAKTU DENGAN FREKUENSI KONSUMSI MAKANAN MANIS DI KAMPUNG WARUNGCINA. Jurnal Kesehatan Masyarakat Indonesia (JKMI) 2026-10-01. DOI: 10.62017/jkmi.v4i1.9139. 原著ライセンス:CC BY.