著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Sain Veteriner

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

地域の養鶏場で耐性の実態を調べる

研究チームは、バリ島バンリ県の採卵鶏から分離したブドウ球菌について、抗菌薬に対する耐性を調べました。対象は、マンニトールという糖の一種を発酵させる性質を持つ菌です。この地域では、こうした菌にどの抗菌薬が効きにくくなっているかについて、情報が限られていました。

調査では、20の養鶏場で外見上健康な鶏から、排せつ口にあたる総排泄腔をぬぐって試料を採取しました。各養鶏場の5羽分を混ぜ、計20の検査用試料として調べました。対象には、産卵開始前の鶏と産卵中の鶏が含まれています。

12株を分離し、4種類の抗菌薬への反応を確認

研究チームは試料を培養し、マンニトールを発酵させた際の色の変化や、染色・生化学検査の結果から菌を判定しました。その結果、20試料のうち12試料、60%から、対象となるブドウ球菌が分離されました。この割合は、個々の鶏ではなく、5羽分を混ぜた試料についての結果です。

分離した12株について、抗菌薬を含ませた小さな円盤を培地に置き、その周囲で菌の増殖がどれほど抑えられるかを測定しました。研究チームは、この検査結果を基準と照らし合わせ、4種類の抗菌薬に対する感受性や耐性を判定しました。

最も耐性の割合が高かったのはエリスロマイシンで、12株中11株、91.67%でした。シプロフロキサシンと、スルファメトキサゾール・トリメトプリムの配合薬には、それぞれ5株、41.67%が耐性を示しました。また、4株、33.33%は3系統の抗菌薬に耐性を示し、多剤耐性に分類されました。

一方、クロラムフェニコールには全12株が感受性を示し、検査では菌の増殖が抑えられました。ただし、論文によると、この薬はインドネシアでは食用動物への使用が禁止されており、今回の調査では比較用に用いられています。

健康な鶏からも確認された耐性菌

著者らは、今回の結果を、調査した養鶏場の健康な鶏からも、特定の抗菌薬や複数系統の抗菌薬に耐性を持つブドウ球菌が見つかったことを示す報告と位置づけています。ただし、検査した試料数は限られており、バンリ県全体の採卵鶏を代表するとは限らないとしています。

この研究は、地域の養鶏現場における耐性の状況を示す基礎情報です。著者らは、抗菌薬を慎重に使用し、耐性の変化を継続して把握する重要性を強調しています。

原著論文の著者・所属:Yeocelin Meida Utami(Laboratory of Veterinary Bacteriology and Mycology, Faculty of Veterinary Medicine, Udayana University)、Ni Wayan Helpina Widyasanti(Laboratory of Veterinary Bacteriology and Mycology, Faculty of Veterinary Medicine, Udayana University)、Putu Henrywaesa Sudipa(Laboratory of Veterinary Bacteriology and Mycology, Faculty of Veterinary Medicine, Udayana University)、I Nengah Kerta Besung(Laboratory of Veterinary Bacteriology and Mycology, Faculty of Veterinary Medicine, Udayana University)、Grace Febiola Sinambela(Undergraduate Program, Faculty of Veterinary Medicine, Udayana University)、Brigitta Milia Rosaline(Undergraduate Program, Faculty of Veterinary Medicine, Udayana University)、Sasha Syaloom Stephannie Senduk(Undergraduate Program, Faculty of Veterinary Medicine, Udayana University)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Yeocelin Meida Utami, Ni Wayan Helpina Widyasanti, Putu Henrywaesa Sudipa, I Nengah Kerta Besung, Grace Febiola Sinambela, Brigitta Milia Rosaline, Sasha Syaloom Stephannie Senduk Antibiotic Resistance Profile of Mannitol-Fermenting Staphylococcus Spp. Isolated From Cloacal Swabs of Layer Chickens in Bangli Regency, Bali. Jurnal Sain Veteriner 2026-09-04. DOI: 10.22146/jsv.114036. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。