日本主導:この研究は、筆頭著者・責任著者、または著者の主要所属が日本の研究機関である研究です。
掲載誌:農研機構研究報告
ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: JaLC
研究の目的
研究チームは、東海から九州地域に向けて、主力品種「フクユタカ」より収量の多いダイズ新品種を育成し、その栽培上の特性や豆腐への加工適性を調べました。
何を、どのように調べたか
研究チームは2006年春、「フクユタカ」を種子親に、「フクユタカ」と「九系313」の交雑後代から選抜した個体を花粉親として交配し、「きらゆたか」を育成しました。「フクユタカ」と比べて、成熟期、茎の長さ、収量、種子の重さや成分、外観などを調べ、豆腐加工適性試験では、豆腐が壊れるまでに耐える力を示す破断強度と、人が食べて評価する官能評価を確認しました。
主な報告結果
著者らによると、「きらゆたか」の収量は「フクユタカ」より12~21%高く、成熟期はやや遅く、茎はやや短いという結果でした。葉焼病への抵抗性と、さやが裂けにくい性質も持っていました。種子100粒の重さは同等で、粗タンパク質含有率は1.4~1.7%高いと報告されています。種子のへその色は同じ淡褐色で、外観も似ていました。加工した豆腐の破断強度は「フクユタカ」より高く、官能評価は同等でした。「きらゆたか」は2025年に品種登録出願されました。
この報告が示すこと
この報告は、地域の主力品種に似た種子の外観と同等の豆腐の官能評価を保ちながら、多収性を備えた新品種を育成した成果を示しています。一方、成熟期などの栽培特性は「フクユタカ」と同一ではなく、その違いも含めて特徴づけられた品種です。
原著論文の著者・所属:Nobuhiko OKI(農研機構 九州沖縄農業研究センター)、Masakazu TAKAHASHI(農研機構 九州沖縄農業研究センター)、Motoki TAKAHASHI(農研機構 九州沖縄農業研究センター)、Yuhi KONO(農研機構 九州沖縄農業研究センター(現 中日本農業研究センター))、Kunihiko KOMATSU(農研機構 九州沖縄農業研究センター(現 西日本農業研究センター))、Satoshi SHIMAMURA(農研機構 九州沖縄農業研究センター)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nobuhiko OKI, Masakazu TAKAHASHI, Motoki TAKAHASHI, et al. 東海から九州地域向け多収ダイズ新品種「きらゆたか」の育成. Journal of the NARO Research and Development 2026-10-05. DOI: 10.34503/naroj.2026.26_1. 原著ライセンス:CC BY.