著者の所属・活動拠点の国は、イギリス、アメリカです。

掲載誌:Current Developments in Nutrition

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

月経前や月経中には、周期的なホルモンの変動に伴って心理的な症状や身体的な症状が現れることがあり、生活の質を大きく損なう場合があります。研究チームは、既存の治療法には選択肢が少なく、効果にばらつきがあり、目立つ副作用もあると指摘しています。一方で、特定の栄養素のサプリメントが月経周期に関連する症状を有意に軽くしたと報告するプラセボ(有効成分を含まない偽薬)対照試験もいくつかあり、根拠に基づく栄養面からの取り組みに関心が高まっています。

こうした背景から著者らは、複数の栄養素を組み合わせた新しいサプリメントを摂取した女性で、月経前と月経時の症状が本人の評価でどう変化するかを調べました。このサプリメントには、サフラン抽出物、カモミール抽出物、ミネラル(クロム、マグネシウム、亜鉛、鉄)、ビタミン(D、B6、C)、オメガ3脂肪酸が含まれ、成分を包み込む高度なカプセル化技術が用いられています。

調べた方法

研究には、月経前・月経時の症状がある女性40人(平均年齢33歳)が参加し、3回連続した月経周期にわたって毎日このサプリメントを摂取しました。この研究は全員が同じサプリメントを摂取する「単群」の予備研究で、偽薬を摂取する比較グループは設けられていません。

症状の評価には、月経症状質問票(MSQ)と、症状の重さを5段階で答える評価尺度が使われました。MSQは、症状を適切に測定できるかどうかがあらかじめ検証されている質問票です。参加者は摂取開始前と、各月経周期の後に回答しました。

主な結果

研究チームによると、MSQの全体スコアは摂取開始前と比べて、1周期目、2周期目、3周期目のいずれの時点でも統計的に有意に低下しました。

5段階で評価した症状全体の重さは、開始前の平均2.58から3周期目には平均1.28へと、平均で約50%低下したと報告されています。著者らは、これは症状が「気が散るほど(中等度から重度)」の段階から「ほとんど気にならない」段階への変化に相当するとしています。また、測定した個々の身体的・心理的症状のすべてで、開始前から3周期目にかけて有意な改善がみられました。

3周期目の時点では、参加者の88%が「サプリメントで症状の重さが軽くなった」、82%が「症状の続く期間が短くなった」という意見に同意しました。

研究が示すこと

著者らは、この結果から、このサプリメントが月経周期を通じて女性を支える栄養面の方法として関心に値する可能性があると結論づけています。ただし、これは比較グループのない予備研究で、結果は参加者自身の報告に基づくものです。研究チームも、偽薬と比較するランダム化試験でさらに検討する必要があると述べています。今回の研究は、症状の変化に関する手がかりを示した段階の報告といえます。

原著論文の著者・所属:Marleigh Smith(Scientific Affairs, Ditto Daily Ltd, London, United Kingdom)、Susanne Mitschke(Clinical Research, Citruslabs, Las Vegas, NV, United States)、Alice van der Schoot(Scientific Affairs, Ditto Daily Ltd, London, United Kingdom)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Marleigh Smith, Susanne Mitschke, Alice van der Schoot. Self-Reported Changes in Premenstrual and Menstrual Symptoms among Females Taking a Novel Multinutrient Supplement: A Pilot Study. Current Developments in Nutrition 2026-08-08. DOI: 10.1016/j.cdnut.2026.109511. 原著ライセンス:CC BY.