著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Teknik Pertanian Lampung (Journal of Agricultural Engineering)
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
グアバ(Psidium guajava L.)の葉には、フェノール化合物と呼ばれる植物由来の成分が含まれ、微生物の増殖を抑える働きが期待されてきました。一方で、卵をゆでて作る「ピンダン卵」にグアバの葉を使ったときの効果は、これまで科学的に確かめられていなかったと研究チームは述べています。
そこで著者らは、グアバの葉の抽出物にどのようなフェノール化合物が含まれるかを調べ、細菌に対する作用と、ピンダン卵の日持ちを延ばす効果を評価しました。以下は、論文の抄録に記載された内容にもとづく紹介です。
何を調べたか
研究チームは、グアバの葉を溶媒に浸して成分を引き出す「浸漬(マセレーション)」と、成分を液体に浸出させる「インフュージョン」の二つの方法で抽出物を作りました。葉と溶媒の比率は1対5です。エタノールで得た抽出物については、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS/MS)という、混ざり合った成分を分けて種類を特定する分析法で含まれる化合物を調べました。
細菌への作用は、サルモネラ菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌の3種を対象に、カービー・バウアー法(ディスク拡散法)で調べました。これは、細菌を広げた培地の上に抽出物を染み込ませた円盤を置き、周囲に細菌が育たない範囲(阻止円)の大きさを測る方法です。さらに、卵をゆでる際にグアバの葉を加え、室温で保存しながら一般生菌数(試料中の微生物の数の目安)を調べて、保存効果を評価しました。
主な結果
分析の結果、エタノール抽出物には、フラボノイド、フェノール酸、クマリン、タンニン、スチルベノイドといった成分が含まれていることが報告されました。
抗菌作用について、エタノール抽出物は濃度50%で大腸菌に対して最も強い作用を示し、阻止円は12.5 ± 8.8ミリメートルでした。水で得た抽出物は、サルモネラ菌に対して最も高い作用を示し、阻止円は11.0 ± 2.2ミリメートルでした。
卵への応用では、グアバの葉を加えてゆでた卵は、検出できる微生物の増殖が室温保存の3日目まで遅れ、3日目になって増殖が確認されました。これに対し、葉を加えなかった対照の卵では、保存0日目から微生物の増殖が見られたと報告されています。
研究が示すこと
著者らは、これらの結果から、グアバの葉がピンダン卵の微生物面での安定性と日持ちを高める天然の抗菌素材となる可能性を示したとまとめています。身近な植物の葉を伝統的な卵料理の保存に役立てる手がかりを、成分分析と保存試験の両面から示した研究といえます。
原著論文の著者・所属:Riska Jannah Nasution(IPB University)、Dias Indrasti(IPB University)、Harsi D Kusumaningrum(IPB University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Riska Jannah Nasution, Dias Indrasti, Harsi D Kusumaningrum Phenolic Compounds of Guava Leaves (Psidium guajava L.): Their Antimicrobial Activity and Application in Pindang Eggs. Jurnal Teknik Pertanian Lampung (Journal of Agricultural Engineering) 2026-08-24. DOI: 10.23960/jtepl.v15i4.1559-1571. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。