著者の所属・活動拠点の国は、クロアチアです。

掲載誌:Frontiers in Education

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

友人や余暇の過ごし方は、リスク行動とどう関わるか

著者は、大学生の友人関係、余暇活動、教員などとの関係が、さまざまなリスク行動とどう関連するかを調べました。対象としたのは、非行、オンライン上のリスク行動、食行動の乱れ、リスクを伴う性行動の四つです。これらに共通する関連要因と、行動ごとに異なる関連要因を捉えることを目指しました。

調査は2024年2~4月に匿名のオンライン質問票で行われ、クロアチアの18~23歳の大学生439人が参加しました。女性が72.2%を占め、参加者は公開された募集案内を通じて自発的に回答しました。著者は、友人のリスク行動、友人関係の質、複数の余暇活動などと、本人が報告した四つの行動との関連を分析しました。

最も一貫して関連していたのは、友人のリスク行動

論文によると、参加者の多くは、四つのリスク行動を低い水準で報告していました。その中で、友人のリスク行動は、本人の四つの行動すべてと最も強く、一貫した正の関連を示しました。ほかの調査要因を同時に考慮した分析でも、この傾向は確認されました。つまり、友人のリスク行動を多く報告する学生ほど、自分自身のリスク行動も多く報告していました。

ただし、これは友人の行動が本人の行動を引き起こしたという結果ではありません。著者は、友人の行動を取り入れる場合だけでなく、似た行動をする相手を友人に選ぶ場合や、共通の特徴が双方の行動に関わる場合も考えられると説明しています。一時点の調査では、これらを区別できません。

余暇活動や良好な関係の関連は一様ではなかった

著者の予想と異なり、科学・技術・工学・芸術・数学に関わるSTEAM分野の余暇活動は、リスク行動の低さではなく、高さと関連していました。この関連は、分析方法を変えた確認でも維持されました。ただし、活動そのものがリスク行動を増やすと示されたわけではありません。著者は、活動への参加とリスク行動の双方に関わる個人の特徴なども考えられるとし、その仕組みは確認されていないとしています。

一方、友人関係の質が高いことは、オンライン上のリスク行動の低さと関連していました。また、教員との良好な関係は、食行動の乱れの少なさと関連していました。良好な人間関係が、どのリスク行動とも同じように結び付いていたわけではありません。

共通点と、行動ごとの違いを捉える

著者は、四つの行動に共通する傾向をまとめた統計モデルも検討しました。共通する傾向は認められたものの、主に非行とリスクを伴う性行動を強く反映していました。オンライン上のリスク行動や食行動の乱れには、それぞれに固有の関連もあり、四つをひとまとめにするだけでは十分に説明できませんでした。

この研究が示すのは、大学生のリスク行動を理解するうえで、友人の行動との関連が重要であると同時に、行動の種類による違いも見逃せないということです。結果は自己申告と自発的に参加した学生のデータに基づく関連であり、特定の友人関係や余暇活動の因果的な影響を示すものではありません。

原著論文の著者・所属:Bruno Matijašević(Department of Preschool and Primary Education, University of Zadar)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Bruno Matijašević. Pedagogical implications of peers, leisure and institutional predictors of risk behaviour among university students. Frontiers in Education 2026-11-04. DOI: 10.3389/feduc.2026.1877146. 原著ライセンス:CC BY.