著者の所属・活動拠点の国は、イランです。
掲載誌:CyTA - Journal of Food
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
桑の実(マルベリー)は、十分に活用されていない果実の一つとされています。研究チームは、5つの桑の品種からジャムを作り、その成分や味わいを比べました。目的は、健康に関わる成分に着目した機能性のある製品で、かつ消費者に受け入れられるジャムを作るのに、どの品種が向いているかを見極めることです。
何を調べたか
研究チームは、5品種の新鮮な果実を同じ方法でジャムに加工しました。そのうえで、糖分などの溶けている成分の量、酸性の度合いを示すpH、酸味の強さの目安となる酸度、糖類、ビタミンCを測定しました。さらに、果実の赤紫色のもとになる色素アントシアニン、植物に含まれるポリフェノールの仲間であるフェノール類やフラボノイド、抗酸化活性、色も分析しました。抗酸化活性は、物質の酸化をどれだけ抑えるかを試験で調べたものです。
あわせて、訓練を受けた評価者のグループが、色や風味などの官能特性、つまり見た目や味わいを評価しました。
主な結果
品種によって大きな違いが見られました。アントシアニンの量は、ジャム100グラムあたり41.72ミリグラムから1272.20ミリグラムまでの幅がありました。フェノール類は、標準物質の没食子酸に換算して100グラムあたり94.58ミリグラムから1126.83ミリグラムでした。抗酸化活性は、試験での阻害率で1.41%から92.68%でした。
品種別では、品種3がこれらの成分量と抗酸化能力で最も高く、品種4が最も低い値でした。品種5は、色の濃さと風味の強さに加えて、これらの成分も多く含んでいました。総合的な好ましさの評価では、5点満点中4.4点で最も高い評価を得ました。
研究が示すこと
著者らは、どの品種を選ぶかがジャムの品質を大きく左右すると結論づけています。そのうえで、品種3と品種5は、機能性に着目した高品質なジャムの原料として有望だとしています。また著者らは、あまり活用されていない桑の実を日持ちする加工品に変えることで、損失を減らし、機能性食品の開発を後押しできる可能性があると述べています。
原著論文の著者・所属:Hosseinali Gharibi(Department of Horticultural Sciences, AK.C., Islamic Azad University, Aliabad Katoul, Iran)、Alireza Ladan Moghadam(Department of Horticultural Sciences, Ga.C., Islamic Azad University, Garmsar, Iran)、Mahdi Alizadeh(Department of Horticulture, Gorgan University of Agricultural Sciences and Natural Resources)、Goni Baghdadi(Department of Horticultural Sciences, AK.C., Islamic Azad University, Aliabad Katoul, Iran)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Hosseinali Gharibi, Alireza Ladan Moghadam, Mahdi Alizadeh, et al. Evaluation of physicochemical and organoleptic properties of jams produced from selected mulberry varieties. CyTA - Journal of Food 2026-08-03. DOI: 10.1080/19476337.2026.2704254. 原著ライセンス:CC BY.