ビタミン剤や栄養補助食品(サプリメント)は、いまや世界中の薬局やドラッグストアの棚に並び、多くの人が日常的に手に取る存在になっています。しかし、その利用は本当に体が必要としているものに基づいているのでしょうか。それとも、テレビやSNSなどメディアの情報に影響されて選ばれているのでしょうか。この素朴な疑問に答えようとしたのが、今回紹介する研究です。

どんな研究か

この研究は、成人を対象に構造化されたアンケート調査を行った、記述的な横断調査です。年齢や性別など多様な背景を持つ参加者に対し、ビタミン・サプリメントを使う頻度や目的、利用を決める際に参考にした情報源、感じている効果、そして医師のすすめによるものか個人の判断によるものかなどを尋ねました。集まった回答は基本的な統計手法で整理されたうえで、性別などの属性とサプリメント利用の関係についてはカイ二乗検定という統計的な手法で調べられています。

わかったこと

調査には合計400人が参加しました。サプリメントを使う理由として最も多く挙げられたのは「免疫のサポート」で、参加者の88.9%がこれを目的としていると回答しました(統計的にも意味のある差として報告されています)。また、購入場所として最も好まれていたのは薬局で、52.2%がここを選んでいました。

性別による違いも見られました。男性では「ブランドへの信頼性」を購入理由に挙げる人が78.7%と多かった一方、女性では「知人などからの個人的なすすめ」を挙げる人が92.2%と、それぞれ異なる要因が影響していることが示唆されています。

この研究を読むうえでの注意

この調査は、ある集団を対象にした一時点でのアンケート結果をまとめたものであり、サプリメントの効果そのものを検証したものではありません。あくまで「人々がどのような理由・情報源に基づいてサプリメントを選んでいるか」という利用実態と傾向を明らかにした一つの研究であり、これだけで結論が確定したわけではない点に留意してください。

まとめ

今回の調査では、免疫サポートを目的とした利用が多いこと、購入場所としては薬局が好まれていること、そして男女で購入の決め手となる情報源に違いがある可能性が示されました。サプリメントとの付き合い方を考えるうえで、自分がどのような情報をもとに選んでいるのかを振り返る、一つのきっかけになりそうな研究といえるでしょう。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:実際のニーズおよびメディアの影響に関するビタミン・栄養補助食品使用習慣の評価(クルクカレ大学医学部紀要・2026年08月)