著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: DataCite

研究の目的

研究チームは、インドネシアのバンダルランプン市スカラメ地区で、料理の宅配サービスGoFoodを利用した消費者の期待と、届いた料理の実際との違いを調べました。対象は、零細・中小規模の飲食事業者が販売する商品です。その違いが、情報の正直さや取引の公正さを重視するイスラム経済倫理からどう捉えられるかも検討しました。

宅配の注文では、消費者は購入前に料理を直接見たり味わったりできず、写真や説明、評価、口コミを頼りに選びます。著者らは、こうして生まれる期待と届いた商品の食い違いを、顧客満足だけでなく、消費者の権利や事業者の責任に関わる問題として取り上げています。

何を、どのように調べたか

研究チームは、消費者の経験を詳しく理解するため、聞き取りを中心とする質的調査を行いました。方法欄では、月に少なくとも1回、GoFoodで対象の料理を購入した経験を持つ消費者3人と、比較のために話を聞く飲食事業者5人を調査対象としています。対象者は研究目的に合う条件で選ばれました。

聞き取りでは、購入前の期待、実際に商品を受け取った経験、その評価を尋ね、アプリ内の店舗表示やメニューも観察しました。分析では、購入前の期待と購入後に感じた商品の状態を比べ、情報の正直さ、公正さ、責任、食品の清潔さや安全性、苦情への対応という観点から検討しました。

主な報告結果

著者らは、期待と実際の違いが生じやすい点として、料理の見た目、量、味や品質、包装の清潔さ、配達時間を挙げています。写真では量が多く魅力的に見えたのに、届いた料理はそれより簡素だったという消費者の経験も紹介しています。ほかに、期待より少ない量、料理のこぼれや冷めた状態、配達の遅れ、材料や辛さ、種類についての説明不足が論じられています。

倫理面では、写真や説明を意図的に実物より良く見せることを、買い手を誤解させる情報提供の問題として捉えています。また、約束した量や品質を大きく下回ることは取引の公正さに、材料やサイズの説明不足は買い手に不利益をもたらす不明確さに関わると述べています。ただし、著者らは、意図的な情報操作と、意図せず生じた量などのばらつきを区別しています。

この報告が示すこと

研究チームが重視するのは、商品情報を正直に伝えることと、約束した品質を保つことを、販売上の工夫だけでなく取引上の責任として位置づけることです。実物に即した写真、十分な商品説明、量や品質の基準、公正な苦情対応を提案しています。

一方、著者らは、遅配や包装の破損などをすべて飲食事業者の責任にはできないと指摘しています。配達員の取り扱いや交通状況も関わるため、販売者、配達員、プラットフォームそれぞれの役割を区別し、消費者への責任を明確にする必要があるというのが、この報告の示す意味です。

原著論文の著者・所属:Mahardika, Intan Suri(universitas islam negeri raden intan lampung)、Arrumaisha, Faza(universitas islam negeri raden intan lampung)、Arnand, Myoe Azzahra(universitas islam negeri raden intan lampung)、Putri, Pinky Aulia(universitas islam negeri raden intan lampung)、Auliya, Zahra(universitas islam negeri raden intan lampung)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mahardika, Intan Suri, Arrumaisha, Faza, Arnand, Myoe Azzahra, et al. Ekspektasi dan Kenyataan Konsumen terhadap Produk UMKM Kuliner melalui GoFood di Kecamatan Sukarame: Tinjauan Etika Ekonomi Islam. Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-11-05. DOI: 10.5281/zenodo.23976991. 原著ライセンス:CC BY.