著者の所属・活動拠点の国は、ポーランドです。

掲載誌:Applied Sciences

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の目的

研究チームは、トウモロコシとソバを原料とするグルテンフリーの即席かゆ状食品について、配合と加工条件が、製造時の処理量やエネルギー消費、水を加えたときの吸水性やとろみにどう影響するかを調べました。用いたのは、原料を加熱しながらスクリューで練って押し出す「押出調理」です。原料の配合に合った加工条件を見いだすことが研究の狙いでした。

何を、どのように調べたか

研究チームは、トウモロコシの粗びき粉だけの試料と、トウモロコシとソバ粉を重量比75対25、50対50で混ぜた試料を比較しました。それぞれの原料の水分を12、14、16、18%に調整し、押出機のスクリュー回転数を毎分80、100、120回転に変えて加工しました。

加工中は、1時間当たりの製品の処理量と、製品1キログラム当たりの機械的エネルギー消費を調べました。加工後の試料は粉砕し、一定の体積に入る重さを表すかさ密度、色、水を加えたときにできるゲルの体積、吸水性、水に溶け出す成分の割合を測定しました。

とろみの強さを表す粘度については、粉砕試料を水または乳脂肪分3.2%の牛乳に混ぜ、試料の重量濃度が10%と20%になるように調製しました。測定温度は20℃と40℃とし、原料や加工条件だけでなく、混ぜる液体や温度による違いも比較しました。

主な報告結果

著者らは、原料の水分が、調べたほぼすべての性質に重要な影響を与えたと報告しています。ソバを含む配合では、原料の水分を増やすと、かさ密度、ゲルの体積を示す指標、吸水性が高まりました。一方、スクリュー回転数を上げると、すべての配合で1時間当たりの処理量が増え、かさ密度は低下しました。

ソバの添加は吸水性をやや高めました。水を加えて遠心分離した後に残るゲルの重さを試料の重さで割った吸水指数は、トウモロコシのみでは5.12~6.01 g/g、ソバ25%では5.58~6.18 g/g、ソバ50%では5.84~6.56 g/gでした。ソバの割合が高い製品では、明るさと水に溶け出す成分の割合が低くなり、粘度は全体として高くなる傾向も報告されました。

食べる際に混ぜる液体と温度も、粘度を大きく左右しました。著者らによると、牛乳で調製したものの粘度は、水で調製したものの少なくとも2~3倍でした。また、水でも牛乳でも、40℃で測定した粘度は20℃での値の3分の1以下でした。

処理量とエネルギー消費を踏まえ、著者らは、ソバ25%の配合では原料水分14%、毎分120回転の条件で、高い処理量と比較的低いエネルギー消費が得られたとしています。ソバ50%の配合については、良好な製品特性を得る条件として、原料水分16%、毎分100回転を推奨しました。

この報告が示すこと

研究チームは、単軸スクリューによる押出調理の条件を配合に合わせて調整することが、即席食品の物理的な性質と製造時の効率を両立させるうえで重要だと結論づけています。

ただし、ソバ50%の配合では、今回の条件で加工が安定せず、特に毎分120回転では材料が機内を滑るように流れる現象が観察されました。一部の試料は粘度測定中にも分離しました。この報告は、ソバの割合を増やす際には、配合変更だけでなく、安定して加工できる条件との組み合わせを考える必要があることを示しています。

原著論文の著者・所属:Magdalena Kręcisz(Institute of Agricultural Engineering, Wrocław University of Environmental and Life Sciences, Chełmońskiego 37a, 51-630 Wrocław, Poland)、Agnieszka Wójtowicz(Department of Food Process Engineering, University of Life Sciences in Lublin, Głęboka 31, 20-612 Lublin, Poland)、Maciej Combrzyński(Department of Food Process Engineering, University of Life Sciences in Lublin, Głęboka 31, 20-612 Lublin, Poland)、Jakub Soja(Department of Food Process Engineering, University of Life Sciences in Lublin, Głęboka 31, 20-612 Lublin, Poland)、Tomasz Oniszczuk(Department of Food Process Engineering, University of Life Sciences in Lublin, Głęboka 31, 20-612 Lublin, Poland)、Marcin Mitrus(Department of Food Process Engineering, University of Life Sciences in Lublin, Głęboka 31, 20-612 Lublin, Poland)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Magdalena Kręcisz, Agnieszka Wójtowicz, Maciej Combrzyński, et al. Extrusion-Cooking as an Effective Processing Method of Instant Gluten-Free Corn–Buckwheat Blends: Impact of Composition and Extrusion Conditions on Selected Physical Properties. Applied Sciences(出版社:Multidisciplinary Digital Publishing Institute) 2026-11-06. DOI: 10.3390/app162111001. 原著ライセンス:CC BY.