プラムの仲間である「チェリープラム(Prunus Cerasifera Ehrh.)」は、ポリフェノールやアントシアニンを豊富に含み、抗酸化力の高い果実として知られています。近年、こうした植物由来の粉末を乳製品に混ぜ込むことで、栄養価を高めようとする研究が世界的に注目を集めています。今回紹介するのは、このチェリープラムの果実粉末をヨーグルトに配合し、その食感や色、そして抗酸化に関わる成分がどのように変化するのかを調べた研究です。
研究でわかったこと
研究チームは、チェリープラム粉末を加えたヨーグルトについて、粉末の濃度や保存期間を変えながら、抗酸化活性(DPPH法という手法で測定)、レオロジー特性(硬さや粘り気などの物理的な性質)、色の変化を調べました。
まず食感に関わる性質は、保存期間の経過とともに変化する傾向がみられました。硬さはいくつかのサンプルで増加し、保存14日目には最大169.9gに達したと報告されています。また、粘稠度(とろみの強さのようなもの)も増加する傾向があり、最大で4223g・sに達したとされています。一方、なめらかさ・まとまりやすさを示す指標(凝集性)については、サンプルごとにややばらつきがあり、一貫した傾向は見られなかったとのことです。
色に関しては、保存による影響はわずかでした。明るさを示すL*値は76.3〜87.8の範囲で比較的安定しており、赤み・黄みを示す値にも小さな変動が見られる程度だったと報告されています。
もっとも注目される点は、抗酸化に関わる成分の変化です。総ポリフェノール量は、粉末濃度が1%のときに9.2mg GAE/gだったのに対し、5%まで増やすと19.0mg GAE/gへと大きく増加したことが示されました。それに伴い、抗酸化活性も36.0%から38.1%へとわずかに上昇したとされています。これらの結果から、粉末の配合濃度を高めることで、ヨーグルトの機能的な性質が向上する可能性が示唆されています。
この研究の位置づけ・読むうえでの注意
この研究は、チェリープラム粉末という素材が、ヨーグルトの栄養面・機能面・食感面において有望な材料になりうることを示したものです。ただし、これは一つの研究であり、結論が確定したわけではありません。ここで示された数値や傾向は、今回の実験条件(使用した粉末濃度や保存期間、測定方法など)のもとで得られたものであり、今後さらに検証が積み重ねられていく必要があるといえるでしょう。
まとめ
チェリープラムの果実粉末をヨーグルトに配合すると、保存期間に応じて硬さや粘稠度が増す一方、色調は比較的安定していること、そして粉末濃度を高めるほど総ポリフェノール量と抗酸化活性が上昇する傾向があることが、この研究では示されました。植物由来の素材を活かした乳製品開発の一例として、今後の研究の広がりが期待されるテーマです。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:プラム(Prunus Cerasifera Ehrh.)果実粉末を配合したヨーグルトのレオロジー特性と生理活性成分含量(フロンティアーズ・イン・ニュートリション・2026年07月)