日本主導:この研究は、筆頭著者・責任著者、または著者の主要所属が日本の研究機関である研究です。

掲載誌:Emerging Trends in Drugs Addictions and Health

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的と背景

カンナビノール(CBN)は、大麻草に由来する成分の一つです。日本では2024年、食品などに残留するΔ⁹-テトラヒドロカンナビノール(THC)の基準値が導入されました。研究チームによると、この基準はカンナビジオール(CBD)よりもCBNを含む食品に有利に働き、その後CBN食品が急速に広がりました。

研究チームは、これまでの管理された臨床試験で調べられた用量は、監督下での1回300mgが上限だったと説明しています。一方で、それをはるかに上回る含有量の製品が一般の食品として販売されており、利用者が実際にどれだけ摂取しているかのデータは限られていました。そこで研究チームは、日本のCBN食品利用者が自己申告した摂取量、使い方、感じた効果や体調の変化を調べました。

調査の方法

調査「J-NEC2025」は、国内のCBN食品企業7社の協力を得て全国規模で行われた横断調査です。横断調査とは、ある時点での状況を一度に調べる方法です。対象製品を過去30日以内に使った人から匿名のオンライン回答を集め、対象となる15製品を使った107人の回答を分析しました。

摂取量は、製品に表示された1個あたりの含有量と、回答者が答えた摂取個数から推定しました。割合には、推定の幅を示す95%信頼区間が添えられています。

主な結果

107人から得られた131件の製品使用記録によると、1回あたりの平均摂取量は初めて使ったときが198.7mgでした。回答者が現在適切だと考えている量は、129件の記録で平均251.5mgでした。初回の摂取量を体重1kgあたりに換算すると平均3.37mgで、0.29mgから9.88mgまでの幅がありました。

何らかの有害事象(使用後に起きた好ましくない体調の変化)を報告した人は、107人中11人の10.3%でした(95%信頼区間5.8〜17.5%)。多かったのは、酩酊感、口の渇き、時間感覚の変化、眠気です。このうち1人は医療機関への相談が必要でした。有害事象を報告した人と報告しなかった人の間で、初回の摂取量に差は見られませんでした。

使用目的は健康に関連するものが74.8%を占めました。期待する用途として最も多かったのは不眠で、65.0%でした。満足度は10点満点で平均8.91点でした。また、77.6%が心理面での生活の質が改善したと回答しました。

結果が示すこと

研究チームは、利用者が申告した摂取量は管理された条件で試された最高用量(監督下での1回300mg)に近いか、それを上回っていたと指摘しています。しかも、それが監督のない状態で繰り返し摂取されていました。

ただし、結果はすべて利用者の自己申告に基づいており、比較のための対照も置かれていません。対象者も現在使っている人に限られています。そのため研究チームは、この結果はこの集団が報告した体験を表すものであり、CBNの有効性や安全性を示すものではないとしています。有害事象を報告した人の割合も、実際より低く見積もられている可能性が高いと述べています。

研究チームは、このデータを2026年6月1日から施行されている使用認可の枠組みのもとで、市販後の状況を監視するための基礎資料と位置づけています。これまで限られていた実際の摂取量について、利用者自身の申告に基づく情報を加えた調査といえます。

原著論文の著者・所属:Yuji Masataka(Department of Neurosurgery, St. Marianna University School of Medicine, Kawasaki, Kanagawa, Japan; Green Zone Japan (General Incorporated Association), Saitama, Japan)、Naoko Miki(Green Zone Japan (General Incorporated Association), Saitama, Japan)、Shuta Tachibana(Anresco Japan Co., Ltd., Tokyo, Japan)、Ryota Nakazawa(Asabis Co., Ltd., Tokyo, Japan)、Yoshiyuki Akahoshi(College of Bioresource Sciences, Nihon University, Fujisawa, Kanagawa, Japan)、Toshihiko Matsumoto(National Center of Neurology and Psychiatry, Kodaira, Tokyo, Japan)、Ichiro Takumi(Department of Neurosurgery, St. Marianna University School of Medicine, Kawasaki, Kanagawa, Japan)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Yuji Masataka, Naoko Miki, Shuta Tachibana, et al. Self-Reported Doses, Use Patterns, and User-Reported Effects of High-Dose Cannabinol (CBN) Food Products in Japan: A Cross-Sectional Survey (J-NEC2025). Emerging Trends in Drugs Addictions and Health 2026-10-01. DOI: 10.1016/j.etdah.2026.100287. 原著ライセンス:CC BY.