著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:JURNAL SOSIAL HUMANIORA

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

インドネシア・ボゴールのクルグ・メカルにあるカンプン・トリゴナは、市の商業・サービス開発区域に位置し、教育観光や食の観光の目的地として育成されている地域です。しかし論文の要旨によると、地元の付加価値の高い商品の種類が限られており、零細・中小企業の経済的な自立を妨げていました。

そこで研究チームは、赤みを帯びたパーム油である「レッドパーム油」を使ったチリオイル(唐辛子を油に漬けた調味料)の配合を考案し、地域住民が担う料理分野の新商品づくりのモデルを提案しようとしました。あわせて、地域の資源や住民の力を生かして地元経済を育てる「地域経済開発」の考え方に沿って、その商品の社会経済的な実現可能性を分析することも目的としています。

どのように調べたか

著者らは、油の配合を変えた3種類の試作品を用意し、条件を無作為に割り当てる実験計画で比較しました。評価には、人が実際に味や香り、見た目などを五感で確かめる「官能評価」を用い、一般の消費者40人と専門家5人が参加しました。

結果の比較には、データの分布を前提としない統計手法が使われました。さらに、評価尺度の上位2段階を選んだ人の割合を見る分析により、回答者の属性ごとの受け入れられ方も調べています。

主な結果

要旨によると、レッドパーム油と精製パーム油を半分ずつ混ぜた配合が、回答者の属性区分を通じて最も高い受容度を示し、その値は95%でした。

経済面の試算では、250グラム1個あたりの製造コストが2万5000ルピア、想定販売価格が4万5000ルピアとされ、粗利益率は44.4%と見積もられています。これは実際の販売実績ではなく、シミュレーションによる推計として報告されたものです。

研究が示すこと

論文は、地域経済開発と、住民が主体となって観光を運営する「コミュニティ主体型観光」の視点を、中小企業による料理の商品開発に結びつけた点を概念的な貢献として位置づけています。住民主導で地域の食の商品を生み出すモデルとして、社会経済的な強さや観光地としての競争力を高めることをねらったものです。

著者らは、このモデルが社会経済的な特徴の似たほかの都市の村でも再現できるとしています。地元の素材と住民の参加を組み合わせた小さな食の工夫が、地域経済を考える一つの手がかりになることを示した研究といえます。

原著論文の著者・所属:Sekti Rahardjo、Pipin Noviati Sadikin、Tatik Sri Wulandari、Aggy Lestari Dwi Putri

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sekti Rahardjo, Pipin Noviati Sadikin, Tatik Sri Wulandari, Aggy Lestari Dwi Putri Strengthening the Urban Village Economy through Local Food Innovation: Development of Chili Oil Based on Red Palm Oil. JURNAL SOSIAL HUMANIORA 2026-10-05. DOI: 10.30997/jsh.v17i2.24953. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。