著者の所属・活動拠点の国は、ケニアです。

掲載誌:Asian Journal of Agricultural Extension Economics & Sociology

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の目的

研究チームは、ケニアのミゴリ郡アウェンド地域で、女性が農地を利用できることと、One Acre Fund(OAF)のトウモロコシ栽培事業への参加状況がどう関係しているかを調べました。OAFは、農家に融資や農業資材、栽培技術の研修を提供する事業です。この地域では多くの女性がトウモロコシ栽培に携わっていますが、全員がOAFに加入して活動に参加しているわけではなく、その参加に関わる要因を明らかにすることが研究の狙いでした。

何を、どのように調べたか

研究チームは、地域内の4地区から無作為に選んだサウスサクワとウェストサクワの2地区で、OAFに加入している女性のトウモロコシ農家3,780人を抽出対象としました。各地区の人数比に合わせて計150人を無作為に選び、質問票で土地の所有や利用、OAFの活動への参加について尋ねました。調査は、同じ時点で状況を把握する横断調査で、未加入者との比較ではありません。

土地を利用できる程度の指標には、農地の利用頻度を用い、年1回か、作付け期ごとかに分けました。OAFへの参加状況は、研修への出席、会合への出席、融資の返済、農業指導担当者との交流の4項目を点数化し、その平均で表しました。研究チームは、土地の利用頻度とこの参加得点との関係を、回帰分析という統計手法で調べました。

主な報告結果

著者らは、土地を利用できる程度がOAFへの参加と統計的に有意に関連していたと報告しています。また、回答者の多くは作付け期ごとに土地を利用しており、土地を得た経路は相続が中心で、購入や賃借による取得はそれより少数でした。

土地の所有形態については、150人中132人(88.0%)が個人所有、18人(12.0%)が共同所有と回答しました。一方、土地の使い方を決める主体は、家族が103人(68.7%)、個人が47人(31.3%)でした。個人所有が多い一方で、土地利用の意思決定は家族で行う場合が多いという結果でした。

この報告が示すこと

研究チームは、女性が実際に農地を利用できることを、農業支援事業への関わりを考えるうえで重要な条件と位置づけています。そのうえで、地域の土地制度や女性農家の必要に合わせ、購入や賃借を通じて土地を利用しやすくする取り組みが、事業への参加を支える可能性があると述べています。

ただし、調査対象は2地区のOAF加入女性農家に限られており、著者らは他の地域や集団への一般化には注意が必要だとしています。また、一時点の調査のため、土地利用や参加状況が季節ごと、あるいは長期間でどう変化するかを示すものではありません。

原著論文の著者・所属:James Onyango Elijah(Agricultural Education and Extension Department, Egerton Univeristy, Njoro, Kenya and Egerton University, P.O Box 536 – 20115 Egerton, Njoro, Kenya)、Maurice Udoto(Agricultural Education and Extension Department, Egerton Univeristy, Njoro, Kenya and Egerton University, P.O Box 536 – 20115 Egerton, Njoro, Kenya)、Joel Ngeno(Egerton University, P.O Box 536 – 20115 Egerton, Njoro, Kenya and Department of Curriculum, Instruction and Educational Management, Egerton Univeristy, Njoro, Kenya)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):James Onyango Elijah, Maurice Udoto, Joel Ngeno. Influence of Access to Land on Women Participation in One Acre Fund Maize Project in Awendo Sub-County, Migori County, Kenya. Asian Journal of Agricultural Extension Economics & Sociology 2026-09-17. DOI: 10.9734/ajaees/2026/v44i93016. 原著ライセンス:CC BY.