掲載誌:Jurnal Pangan Gizi dan Kesehatan

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

幼児期は心身が急速に成長する時期で、栄養面で影響を受けやすい年齢層とされます。幼児が必要な栄養をとれるかどうかは家庭の食事のあり方に大きく左右され、とくに主な養育者である母親の役割が大きいと考えられています。バランスを欠いた食事が続くと、成長や発達に支障が生じるおそれがあります。

この研究は、インドネシア東ヌサトゥンガラ州南中部ティモール県北アマナトゥン郡にあるアヨトゥパス地域保健センターの管轄地域を対象にしています。研究チームは、幼児の食事パターンと関連する要因を明らかにすることを目的としました。食事パターンとは、幼児が日ごろ何を、どのくらいの頻度で、どれだけ食べているかという食習慣全体を指します。

何をどのように調べたか

研究チームが取り上げた要因は、母親の栄養に関する知識、母親が就労しているかどうか、世帯の月収、同じ世帯で暮らす家族の人数の4つです。これらが幼児の食事パターンの良し悪しと関連しているかを調べました。

調査は管轄地域内の4つの村で行われ、生後12〜59か月の幼児141人とその母親が対象となりました。研究者が質問票を用いて母親に聞き取りを行い、一時点の状況をとらえる横断研究としてデータを集めています。分析には、2つの区分の間に統計的な関連があるかを確かめる手法であるカイ二乗検定が用いられました。

主な結果

論文によると、母親の栄養知識、母親の就労状況、世帯収入の3つは、いずれも幼児の食事パターンと統計的に有意な関連を示しました(いずれもp値0.000)。たとえば、栄養知識が不十分な母親のグループでは、幼児の食事パターンが「良くない」とされた割合が71.4%でした。知識が十分な母親のグループでは31.9%で、両者に差が見られたと報告されています。世帯収入については、収入の高い家庭の幼児はすべて食事パターンが「良い」に分類されました。

一方、家族の人数と幼児の食事パターンの間には、統計的に有意な関連は認められませんでした(p値0.134)。著者らは考察で、大家族では食べ物の分配が不十分になりうるという理論的な見方に触れています。そのうえで、この調査では母親の栄養知識や世帯収入など、ほかの要因のほうが大きな役割を果たしている可能性を挙げています。

この研究が示すこと

この研究は、ティモール島の農村部にある一つの保健センター管轄地域において、幼児の食事パターンが家族の人数よりも、母親の栄養知識、就労状況、家庭の経済状況と結びついていることを報告しています。ただし、横断研究で示されたのは要因と食事パターンの関連であり、どちらが原因かを確かめたものではありません。それでも、幼児の食事を考えるうえで、母親の知識と家庭の経済的な条件に目を向けることの大切さを、地域の実データから示した報告といえます。

原著論文の著者・所属:Priskila Tamonob(Public Health Study Program, Faculty of Public Health, Nusa Cendana University;)、Utma Aspatria(Public Health Study Program, Faculty of Public Health, Nusa Cendana University;)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Priskila Tamonob, Utma Aspatria Factors Related to Food Consumption Patterns of Toddlers in the Working Area of the Ayotupas Community Health Center, North Amanatun District, South Central Timor Regency. Jurnal Pangan Gizi dan Kesehatan 2026-10-21. DOI: 10.51556/ejpazih.v15i2.550. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。