この研究は、アメリカの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Dietetics

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

コンビニやスーパーに並ぶ加工度の高い食品——いわゆる「超加工食品(UPF)」——は、私たちの食事の中でかなりの割合を占めていると言われています。UPFは一般的にタンパク質が少ない食品として知られていますが、近年はタンパク質を強化したUPFも増えており、実は日々のタンパク質摂取の一部をUPFが支えているのではないか、という見方もあります。もしそうだとすると、「UPFを減らしましょう」というアドバイスが、意図せずタンパク質不足を招いてしまう可能性はないのでしょうか。今回紹介する研究は、この疑問を実際のデータで確かめたものです。

研究でわかったこと

この研究では、健康な成人52人を対象に、UPFの摂取をできるだけ減らすグループ(MPF群、25人)と、普段通りの食事を続けるグループ(UPF群、27人)にランダムに分け、6か月間の食事の変化を追跡しました。食事内容は、介入前と介入後にそれぞれ3日間の食事記録をつけてもらう形で調べられ、食品はNova食品分類システムという分類法を使ってUPFかどうかが判定されました。

まず介入前の時点での関連を見ると、UPFを多く食べている人ほど、UPF由来のタンパク質摂取量やタンパク質全体に占めるUPF由来の割合が高いという、正の関連が確認されました。一方で、体重あたりのタンパク質摂取量や、摂取エネルギーに占めるタンパク質の割合については、UPF摂取量が多いほど低くなるという逆の関連が見られました。つまりUPFを多く食べる人ほど、タンパク質の「量」自体はUPFから補われやすい一方で、体格に見合った摂取量や食事全体に占めるタンパク質の質的なバランスという点では不利になりやすい傾向があったということです。

次に6か月間の介入の結果ですが、UPFを減らすよう指導されたMPF群では、実際にUPFの摂取量とUPF由来のタンパク質摂取量が有意に減少しました。ここで注目すべき点は、それにもかかわらず、総タンパク質摂取量、体重あたりのタンパク質摂取量、摂取エネルギーに占めるタンパク質の割合のいずれも、介入前の水準が維持されていたということです。つまり、UPF由来のタンパク質が減った分は、他の食品からのタンパク質摂取によって補われたと考えられる結果でした。

この研究の位置づけ・読むうえでの注意

この研究は、UPFを減らすことがタンパク質摂取の低下に直結するわけではない可能性を示すものですが、あくまで一つの研究であり、これだけで結論が確定したわけではありません。参加者は52人と限られた人数であり、食事内容の把握も自己申告による3日間の食事記録に基づいています。UPF由来のタンパク質に頼らずとも総タンパク質摂取量が維持されたことは示されていますが、それが具体的にどのような食品への置き換えによって実現したのかなど、要旨からは読み取れない詳細もあります。今後さらに研究が積み重ねられていくことが期待されます。

まとめ

この研究では、UPFの摂取が多い人ほどUPF由来のタンパク質摂取は多い一方で、体重あたりのタンパク質摂取量や摂取エネルギーに占めるタンパク質割合は低くなりやすいという関連が示されました。また、6か月間UPFの摂取を減らす取り組みを行った群では、UPF由来のタンパク質摂取が大きく減ったにもかかわらず、総タンパク質摂取量や体格あたりの摂取量は維持されていたことが報告されています。UPFを見直す際にタンパク質摂取の質を保つことは可能であることが示唆される結果と言えそうです。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。出典(原著論文):自由生活下の成人における超加工食品削減後のタンパク質摂取量(ダイエテティクス・2026年08月)

著者:Tyler Godsey(Department of Nutritional Sciences, Oklahoma State University, Stillwater, OK 74078, USA)、Abby Maupin(Department of Nutritional Sciences, Oklahoma State University, Stillwater, OK 74078, USA)、Tatum Louthan(Department of Nutritional Sciences, Oklahoma State University, Stillwater, OK 74078, USA)、Jillian Joyce(Department of Nutritional Sciences, Oklahoma State University, Stillwater, OK 74078, USA)、Ashlea Braun(Hudson College of Public Health, Department of Health Promotion Sciences, University of Oklahoma Health Sciences, Oklahoma City, OK 73104, USA)、Edralin A. Lucas(Department of Nutritional Sciences, Oklahoma State University, Stillwater, OK 74078, USA)、Sam R. Emerson(Department of Nutritional Sciences, Oklahoma State University, Stillwater, OK 74078, USA)