著者の所属・活動拠点の国は、カザフスタン、ウズベキスタンです。
掲載誌:Bulletin of Shakarim University Technical Sciences
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究のねらい
研究チームは、果物・野菜・ベリーを原料とするデザート「キヨマ」に、抗酸化作用をもつとされる植物素材を加えることの妥当性を検討しました。あわせて、配合の違いが製品の「レオロジー特性」にどう影響するかを調べています。レオロジー特性とは、粘り気や流れやすさ、べたつきなど、食品が変形したり流れたりするときの性質のことです。
著者らは、果物や野菜、香辛料を使った自然なデザートの種類を増やし、砂糖を多く含む従来の甘い菓子を、栄養価の高い製品に置き換えることを目指しています。論文によると、果物・ベリー・野菜を組み合わせたキヨマについて、粘度、トルク(回転させるのに必要な力)、流動性、べたつき、付着性をまとめて調べたデータは、これまで限られていました。
何を調べたか
研究の対象は、香辛料のサフラン、ターメリック(クルクマ)、ショウガの3種類と、配合の異なる2種類のキヨマです。キヨマの原料となる果物・ベリー・野菜は、機能面での相性や、色・味・香りの組み合わせを考えて選ばれました。
香辛料については、水分、灰分(燃やした後に残る無機物の量で、ミネラル量の目安になります)、pH、生理活性成分の含有量、抗酸化活性を測りました。キヨマについては、粘度、トルク、流動性、べたつき、付着性を測定しました。2つの試料のうち、試料2には製品重量の24.27%にあたる砂糖シロップが使われ、試料1には砂糖の代わりにメロン果汁が使われています。甘味源以外の配合の内訳は、論文では示されていません。
主な結果
香辛料のうち、抗酸化活性が最も高いと報告されたのはサフランでした。著者らはその理由として、色素成分のクロシンやフラボノイドを多く含むことを挙げています。ターメリックはクルクミンを含むことから2番目とされ、ショウガは抗酸化活性ではこの2つに及ばないものの、辛味成分のジンゲロールやショウガオールの供給源として価値があると述べられています。灰分はサフランが最も多く、ショウガ、ターメリックの順でした。
キヨマの測定では、粘度が試料1で11050センチポアズ、試料2で19350センチポアズと報告され、砂糖シロップを使った試料2のほうが粘り気が強い結果でした。べたつきも試料2のほうが大きく、著者らは、シロップに含まれる糖が粘度やべたつきを高めた主な要因だろうと推測しています。一方、付着性は試料1のほうが高く、その理由として原料成分の分子構造の違いが関係している可能性が挙げられています。
2つの試料はいずれも、粘りと可塑性をあわせもつ構造をしていました。また、力を加えるほど粘度が下がって流れやすくなる「擬塑性」という流れ方を示すことが分かりました。著者らは、配合の違いが製品の構造や力学的な性質に大きく影響すると結論づけています。そのうえで、技術面と消費者の受け入れやすさの両方から、メロン果汁を使った試料1が最適だと判断しました。
研究が示すこと
この研究は、サフラン、ターメリック、ショウガといった香辛料を加えたキヨマについて、原料の成分と、粘りや流れやすさといった製品の性質を合わせて調べたものです。配合の異なる2つの試料の間では、粘度やべたつき、付着性の測定値にはっきりとした差が見られました。著者らはその差の一因を甘味源の違いと推測しており、こうした配合と性質の関係が、製造条件を選ぶうえでの手がかりになると位置づけています。
原著論文の著者・所属:A. U. Shingisov(M.Auezov South Kazakhstan University)、O. T. Azizov(Tashkent Chemical-Technological Institute)、E. U. Mailybayeva(M.Auezov South Kazakhstan University)、U. U. Tastemirova(M.Auezov South Kazakhstan University)、Zh. S. Nabiyeva(Almaty Technological University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):A. U. Shingisov, O. T. Azizov, E. U. Mailybayeva, et al. STUDY OF ANTIOXIDANT RAW MATERIALS AND RHEOLOGICAL PROPERTIES OF FRUIT– VEGETABLE –BERRY KIYOMA. Bulletin of Shakarim University Technical Sciences 2026-07-29. DOI: 10.53360/2788-7995-2026-2(22)-52. 原著ライセンス:CC BY.