著者の所属・活動拠点の国は、中国です。

掲載誌:Frontiers in Nutrition

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

のどが渇いたときに何を飲むか——水なのか、甘い飲み物なのか、コーヒーや茶なのか。この日常的な選択が、体格や体の中の状態とどう関係しているのかを調べた研究が、学術誌「フロンティアーズ・イン・ニュートリション」に2026年07月に掲載予定です。今回紹介するのは、中国の大学生を対象に、飲料の摂取パターンとBMI(体格指数)・腹囲、そして尿検査でわかるいくつかの指標との関連を調べた横断研究です。

飲料の摂取と体格や体内の代謝マーカーとの関連については、これまで若い世代を対象にした大規模なデータが十分ではなかったとされています。今回の研究は、そうした若年成人における実態を明らかにしようとしたものです。

どんな研究が行われたのか

研究チームは、中国の7つの地域にある大学に通う18〜25歳の学生3,198人を対象に、多施設共同の横断研究を実施しました。参加者には、あらかじめ有効性が確認された「7日間の飲料摂取日誌」に、目盛り付きのコップを使って日々の水分摂取量を記録してもらいました。あわせて、BMIと腹囲、そして尿中のクレアチニン、尿酸、尿酸とクレアチニンの比、尿素という複数の尿中バイオマーカーを測定しています。これらのデータをもとに、あらかじめ定めた交絡要因(結果に影響しうる他の要素)を調整した多変量回帰分析によって、飲料の種類ごとの摂取量と各指標との関連が検討されました。

わかったこと

まず、1日の水分摂取量のうち最も大きな割合を占めていたのは普通の水(ミネラルウォーターなど)で、全体の83.9%にのぼりました。次いで多かったのが加糖飲料(砂糖入りの清涼飲料水など)で、飲料の摂取パターンには地域による差もみられたと報告されています。

普通の水の摂取量が多いことは、BMIおよび腹囲とはやや正の関連を示した一方で、尿中クレアチニン、尿中尿酸、尿中尿素とはいずれも負の関連を示したとされています。つまり、水をより多く飲んでいるグループほど、これらの尿中バイオマーカーの値が低い傾向がみられたということです。

これに対して加糖飲料の摂取量は、腹囲、尿中尿酸、そして尿酸とクレアチニンの比と、いずれも正の関連を示したと報告されています。加糖飲料をより多く摂取している人ほど、これらの値が高い傾向がみられたことになります。

さらに、コーヒー・茶、100%果汁のフルーツジュース、その他の飲料については、それぞれ腹囲との間に負の関連がみられたとされています。このように、同じ「飲料」であっても種類によって体格指標や尿中バイオマーカーとの関連の向き・強さが異なっていた点が、この研究の注目すべき結果といえます。

この研究を読むうえでの注意点

この研究は、ある一時点での飲料摂取状況と体格・尿中バイオマーカーとの「関連」を調べた横断研究であり、飲料の摂取が原因となってこれらの指標が変化したという因果関係を示すものではありません。また、調査対象は中国の大学生という特定の年齢層・集団であるため、結果がそのまま他の年代や地域の人々に当てはまるとは限りません。あくまで一つの研究結果であり、これによって結論が確定したわけではない点に留意してください。

まとめ

今回の研究では、中国の大学生を対象に飲料の摂取パターンを調べたところ、普通の水はBMI・腹囲とは正の関連を、尿中バイオマーカーとは負の関連を示す一方、加糖飲料は腹囲や尿酸関連の指標と正の関連を示すなど、飲料の種類によって体格指標や尿中バイオマーカーとの関連パターンが異なることが示唆されました。飲み物選びと体の状態との関係を考えるうえで、興味深い切り口を示すデータといえそうです。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。出典(原著論文):中国の若年成人における飲料摂取パターンと肥満度・尿中バイオマーカーとの関連:多施設横断研究(フロンティアーズ・イン・ニュートリション・2026年07月)

原著論文の著者・所属:Shuyi Zhou(School of Public Health, Peking University, Beijing, China)、Jianfen Zhang(School of Public Health, Peking University, Beijing, China)、Jianfen Zhang(Department of Student Nutrition, National Institute for Nutrition and Health, Chinese Center for Disease Control and Prevention, Beijing, China)、Yong Jia(School of Nursing, Jilin University, Changchun, China)、Meiling Zhang(School of Public Health, Tianjin Medical University, Tianjin, China)、Yu Wang(School of Public Health, Lanzhou University, Lanzhou, China)、Na Zhang(School of Public Health, Peking University, Beijing, China)、Na Zhang(Laboratory of Toxicological Research and Risk Assessment for Food Safety, Peking University, Beijing, China)、Guansheng Ma(School of Public Health, Peking University, Beijing, China)、Guansheng Ma(Laboratory of Toxicological Research and Risk Assessment for Food Safety, Peking University, Beijing, China)