著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Media Informasi

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、インドネシアのタシクマラヤ市にある第8公立中学校の女子生徒に向けて、貧血について学べるデジタル物語教材を開発し、教育用の教材として適切かどうかを確かめようとしました。

事前の聞き取りでは、この学校には貧血を扱う専用の教材がなく、教育は主に口頭で行われていました。そこで著者らは、物語とイラストを組み合わせ、生徒が関心を持ちやすく、理解しやすい形で情報を伝える教材を目指しました。

何を、どのように調べたか

研究は、必要な教材を把握する分析、教材の設計、開発と評価の段階で進められました。最初に校長、進路・生活指導を担当する教員、女子生徒の計3人に聞き取りを行い、教材への要望を調べました。

教材の内容は、保健省の貧血予防・対策の指針や小冊子に基づき、貧血とは何か、その原因、影響、予防を扱いました。思春期の登場人物による冒険物語に、漫画風のイラストと平易な言葉を組み合わせ、家庭や学校、赤血球をつくる工場をイメージした架空の世界を舞台にしました。

内容、メディアの設計、言語を専門とする3人がそれぞれ教材を評価し、指摘を受けて修正しました。その後、女子生徒548人の中から、第7~9学年で各4人を無作為に選び、計12人による小規模な試用評価を行いました。生徒は内容、デザイン・視覚表現、使いやすさを評価しました。

評価には5段階の質問票を使い、得られた点数を満点に対する割合で示しました。これは教材としての適切さや受け入れられ方を調べるもので、教材を使う前後の知識や行動の変化を比べる試験ではありません。

主な報告結果

専門家による評価は、内容が満点の100%、メディアの設計が96.7%、言語が90%で、平均は95.6%でした。研究チームが用いた基準では、いずれも最上位の「非常に適している」に分類されました。言語面では、会話文の大文字表記や句読点についての指摘が修正に反映されました。

女子生徒12人による試用評価では、総得点は720点満点中688点で、論文は全体の評価を95.6%と報告しています。こちらも最上位の区分に入り、研究チームは、教材の内容、視覚的な見せ方、使いやすさが対象生徒に好意的に受け入れられたと述べています。

この報告が示すこと

著者らは、このデジタル物語教材を、同校での貧血教育を支える選択肢と位置づけています。口頭での説明を中心としていた教育に、物語とイラストで情報を伝える教材を加えられるという意味があります。

ただし、評価に参加した生徒は1校の12人に限られ、ほかの学校や幅広い生徒にも同じように受け入れられるとは限りません。また、今回確かめたのは教材の質と利用者の受け入れであり、貧血に関する知識、態度、予防行動を改善する効果が示されたわけではないと、著者らは区別しています。

原著論文の著者・所属:Ishry Hadiati Rahmah(Poltekkes Kemenkes Tasikmalaya)、Andri Gustiadi(Poltekkes Kemenkes Tasikmalaya)、Deris Aprianty(Poltekkes Kemenkes Tasikmalaya)、Ani Radiati(Poltekkes Kemenkes Tasikmalaya)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Ishry Hadiati Rahmah, Andri Gustiadi, Deris Aprianty, Ani Radiati Designing Digital Storybook-Based Educational Media About Anemia For Female Adolescents. Media Informasi(出版社:Poltekkes Kemenkes Tasikmalaya) 2026-10-30. DOI: 10.37160/mijournal.v22i3.1461. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。