この研究は、スリランカ、ニュージーランドの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Cogent Food & Agriculture
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
家庭の食の選択と雑穀への理解
研究チームは、家庭で食べるものの選択に重要な役割を担う都市部の女性に着目し、スリランカで十分に利用されていない雑穀について、知識や意識、食べ方を調べました。対象としたのは、シコクビエ、アワ、キビ、コドビエの4種類です。
研究では、妥当性を確認したオンライン質問票を使い、444人の回答を分析しました。一時点での状況を調べる調査で、雑穀への認知や摂取頻度に加え、教育水準や所得などとの関連も検討しました。
知られていても、食べる種類はシコクビエが中心
回答者の79.6%は、十分に利用されていない雑穀について聞いたことがあり、最もよく知られていたのはシコクビエでした。栄養面についての認知は75.9%と比較的高かったものの、知識は主に血糖の管理に関するものでした。雑穀がグルテンを含まないと認識していた人は48.4%で、乾燥に強い性質を知っていた人は76.1%でした。
最もよく食べられていたのもシコクビエで、69%が「時々食べる」と回答しました。購入する形としては粉が好まれ、78.4%が雑穀粉を選んでいました。著者らは、雑穀について一定の認知がある一方、摂取はシコクビエに偏っていると報告しています。
認知と摂取の広がりには違いがある
教育水準は雑穀の認知と、所得は摂取頻度と、それぞれ統計的に有意な関連がありました。また、非感染性疾患の家族歴がある女性は、雑穀を取り入れる食生活の変更に前向きな態度を示していました。これらは調査で見られた関連であり、原因と結果を示すものではありません。
この研究が伝えるのは、雑穀を知っていることと、多様な種類を食べていることは同じではないという点です。著者らは、さまざまな雑穀の利用を促すことが、スリランカのより健康的な食生活と持続可能な食料システムを支える可能性があると述べています。
著者:Premitha Chanduli Waidyaratne(Postgraduate Institute of Agriculture, University of Peradeniya)、Geeshani Somaratne(Department of Food Science and Technology, Faculty of Agriculture, University of Peradeniya)、Monisha Dulanjani Pradinandiyas Abegunasekara(Department of Food Science and Technology, Wayamba University of Sri Lanka, Lionel Jayathilaka Mawatha)、Piumali Wijesekara(Department of Food Science and Technology, Faculty of Agriculture, University of Peradeniya)、Kalmee Pramoda Kariyawasam(Riddet Institute, Massey University)、Umani Walallawita(Research Operations, Massey University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Premitha Chanduli Waidyaratne, Geeshani Somaratne, Monisha Dulanjani Pradinandiyas Abegunasekara, et al. Knowledge, attitudes, and consumption behaviors of underutilized millets among urban women in Sri Lanka. Cogent Food & Agriculture 2026-09-30. DOI: 10.1080/23311932.2026.2738998. 原著ライセンス:CC BY.