「痩せるにはどんな食事法がいいのか」「運動と組み合わせるべきか」という疑問は、ダイエットに関心のある人なら誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。ケトン食、間欠的断食、ベジタリアン系の食事など、世の中には様々な食事法があり、さらに運動を組み合わせるかどうかでも効果が変わってくると考えられます。しかし、これらを同じ条件でまとめて比較した研究は多くありません。今回、肥満のある女性を対象に、複数の食事法と在宅運動の組み合わせを比較した研究がサイエンティフィック・リポーツ誌に2026年08月に掲載予定です。この記事ではその内容を紹介します。
どんな研究が行われたのか
この研究では、19〜45歳の女性108人が対象となりました。内訳は肥満のある女性96人と、標準体重の女性12人です。参加者は、対照群(C)、肥満のみの群(O)、運動のみを行う群(OE)、運動+準菜食主義食群(OEVD)、準菜食主義食のみの群(OVD)、運動+間欠的断食群(OEIF)、間欠的断食のみの群(OIF)、運動+ケトン食群(OEKD)、ケトン食のみの群(OKD)という9つのグループに分けられました。
肥満のあるグループは、ケトン食・間欠的断食・準菜食主義食のいずれかを、単独で、または在宅での運動と組み合わせて、6週間実施しました。研究チームは、体組成(体重・BMI・体脂肪率など)を生体電気インピーダンス法という方法で測定するとともに、血液中のアディポネクチン、IGF-1(インスリン様成長因子1)、イリシン、ミオスタチン、血糖値、インスリンといった代謝やホルモンに関わる指標をELISA法で調べました。
研究でわかったこと
対照群(C)と肥満のみの群(O)では、体重や体脂肪などに目立った変化は見られなかった一方、何らかの介入(食事法や運動)を行ったグループでは、体重・BMI・体脂肪率のいずれもが統計的に有意に減少したと報告されています。
食事法や運動を単独で行った場合の変化を見ると、間欠的断食のみの群(OIF)では体重が約10.42%、BMIが約7.61%、体脂肪率が約9.86%減少したとされています。運動のみの群(OE)では体重約9.49%、BMI約6.65%、体脂肪率約13.49%の変化が見られ、準菜食主義食のみの群(OVD)では体重約9.07%、BMI約8.17%、体脂肪率約6.21%、ケトン食のみの群(OKD)では体重約8.12%、BMI約6.91%、体脂肪率約9.78%の変化が報告されています。
一方、食事と運動を組み合わせたグループでは、単独介入よりも大きな変化がみられる傾向があったとされ、特に運動+準菜食主義食群(OEVD)で最も大きな変化(体重約12.69%、BMI約13.46%、体脂肪率約13.95%)が報告されました。次いで運動+ケトン食群(OEKD、約10.68%、9.16%、11.17%)、運動+間欠的断食群(OEIF、約8.76%、9.64%、12.04%)の順に大きな変化が見られたとされています。
さらに、運動を行ったグループや食事+運動を組み合わせたグループでは、対照群・肥満のみの群と比べて、アディポネクチン、イリシン、IGF-1、ミオスタチンといったホルモン関連の値にも有意な変化が見られたと報告されています。また、血糖値やインスリン濃度についても、介入を行ったグループでは有意な変化が見られた一方、対照群と肥満のみの群では変化が見られなかったとされています。
この研究の位置づけと読むうえでの注意
この研究は、6週間という比較的短い期間で、特定の年齢層(19〜45歳)の女性を対象に行われたものです。研究では、生活習慣の中に食事戦略と在宅運動を組み合わせることが、肥満のある女性の代謝やホルモンに関わる指標の変化と関連していることが示唆されていますが、これは一つの研究で得られた結果であり、結論が確定したわけではありません。効果の持続性や、他の年齢層・性別への当てはまりやすさなどについては、要旨からは読み取ることができません。気になる食事法や運動法がある場合は、この記事の内容を参考にしつつ、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
この研究では、肥満のある女性に対してケトン食・間欠的断食・準菜食主義食のいずれかを、単独または在宅運動と組み合わせて6週間実施したところ、体重・BMI・体脂肪率の減少や、アディポネクチン・イリシンなどのホルモン指標の変化が報告されました。中でも運動と準菜食主義食を組み合わせたグループで最も大きな変化が見られたとされています。今後、こうした知見がどのように発展していくのか注目されます。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:肥満女性における食事と運動の組み合わせによる代謝反応:異なる食事タイプを用いた比較ライフスタイル介入研究(サイエンティフィック・リポーツ・2026年08月)