この研究は、トルコの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Foods

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

著者らは、天然の色素を含ませたひまわり油から「色つきのオレオゲル」をつくれるかどうかを調べ、それがクッキーの配合において油脂の代わりとして使えるかを評価することを目的としたと報告しています。

オレオゲルとは、液体の油にワックスなどの構造をつくる成分を加えて固形状にしたものです。この研究では、マーガリンのような固形油脂の代わりになりうる素材として扱われています。

何をどう調べたか

研究チームは、トマト・ニンジン・ホウレンソウを天然の色素源として用い、それぞれ赤・オレンジ・緑に着色した油を得たと述べています。これらの油をカンデリラワックスで構造化し、色つきのオレオゲルを作製しました。

油とオレオゲルの双方について、物理化学的性質、構造、酸化に関する性質、テクスチャー、色の特性を評価したとされています。さらに、できあがったオレオゲルをクッキーに用い、マーガリンを使った対照の配合と比べて性能を確かめたと報告されています。

報告された主な結果

著者らによれば、いずれのオレオゲルも高い油の保持能力(99.44〜99.84%)を示し、安定したゲル化のふるまいが見られました。酸化安定性の分析では、保存中に過酸化物価、遊離脂肪酸、p-アニシジン価が上昇する傾向が示されたとしています。

FTIR(赤外分光)による分析では、脂質の構造に化学的な変化は起きていないことが確かめられ、オレオゲルの形成は物理的な相互作用によるものだと示されたと報告されています。色の分析では、色素を加えたことがL*・a*・b*の各値(明るさと色味を表す指標)に大きく影響し、ホウレンソウのオレオゲルは90日間にわたってとくに優れた色の安定性を示したとされています。

クッキーについては、オレオゲルを用いたものは総じてマーガリン対照より硬さが低く、広がり比は高い値(4.71〜5.38、対照は3.04)を示しました。一方で膨張比は137.50〜162.50%で、対照の212.50%より低くなっています。焼成時の重量損失には影響が見られなかったと報告されています。

この研究が示すこと

著者らは、天然色素を含ませたオレオゲルが、クリーンラベルを志向した焼き菓子の開発において油脂代替として役立ちうることを、この研究が示したとまとめています。色をつけることと油脂を構造化することを同時に行う素材づくりの一例として報告された内容です。

著者:Emine Bakır(Food Engineering Department, Graduate School of Natural and Applied Science, Erciyes University, Kayseri 38039, Türkiye)、Hasan Yalçın(Food Engineering Department, Engineering Faculty, Erciyes University, Kayseri 38030, Türkiye)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Emine Bakır, Hasan Yalçın. Development of Natural Colorant-Loaded Oleogels and Their Use in Cookies. Foods 2026-08-26. DOI: 10.3390/foods15173011. 原著ライセンス:CC BY.