この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Arsip Keilmuan Gizi (AKG)
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
乳幼児は体が急速に育つ時期にあたるため、栄養の問題や病気にかかりやすい集団だと考えられています。著者は、子どもの栄養状態が日々の食事からの摂取量と感染症の影響を受けうる点に注目しました。
この研究の目的は、インドネシア・バンテン州タンゲラン県スパタン郡ゲンポルサリ村に暮らす乳幼児について、感染症の経験、エネルギーおよび主要栄養素の摂取量と、栄養状態との関係を明らかにすることでした。ここでいう主要栄養素とは、たんぱく質・脂質・炭水化物という、食事からエネルギーの大部分を得る三つの成分を指します。
何を、どのように調べたか
対象となったのは、ゲンポルサリ村に住む生後6〜59か月の乳幼児65人です。研究は横断研究として行われました。横断研究とは、ある一時点の状況をまとめて調べる方法で、時間の前後関係をたどるものではありません。対象者は目的に沿って選ぶ方法(有意抽出)で集められました。
食事については、24時間思い出し法という、前日1日に食べたものを聞き取って栄養素の量を見積もる方法を、平日と休日の2回実施し、エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物の摂取量を評価しました。感染症の経験については質問票で情報を集めました。栄養状態は、年齢に対する体重(WFA)と年齢に対する身長(HFA)という二つの指標で評価し、統計的な検討にはフィッシャーの正確検定が用いられました。
報告された主な結果
著者の報告によると、年齢に対する体重でみた栄養状態は対象児の100.0%が良好で、年齢に対する身長でみた栄養状態は93.8%が正常の範囲にありました。
一方、食事の面では偏りがみられたと報告されています。エネルギー摂取が不足していた子どもは97%、炭水化物の摂取が不足していた子どもは95.4%にのぼりました。たんぱく質については61.5%が過剰、脂質については52.3%が適正の範囲でした。感染症としては、下痢と、せきや鼻水を伴う発熱が報告されています。
そのうえで著者は、エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物の各摂取量、および感染症の経験と、年齢に対する身長でみた栄養状態との間に、統計的に意味のある関連は認められなかったと報告しています。
この研究が示すこと
この村の乳幼児では、体格の指標で見る限り大半が良好・正常と判定された一方で、エネルギーと炭水化物の摂取が不足し、たんぱく質が過剰という食事の偏りが広く見られました。体格の数値が整っていることと、食事の内容が望ましい状態にあることは、必ずしも同じではないことがうかがえます。
また、今回の調査では摂取量や感染症と栄養状態との統計的な関連は確認されませんでした。関連が示されなかったという結果は、関係がないと証明されたことを意味するものではなく、この一時点・この人数での調査から得られた所見という位置づけです。地域の子どもの栄養を考えるうえで、体格の判定だけでなく食事の中身にも目を向ける必要があることを、この報告は示しています。
著者:Aisyahni Fitri(Nutrition Study Program, Faculty of Health Sciences, University of Muhammadiyah Prof DR Hamka, Jakarta, Indonesia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Aisyahni Fitri. Relationship between infectious disease, energy and macronutrient intake, and nutritional status of toddlers aged 6–59 months in Gempol Sari Village, Banten. Arsip Keilmuan Gizi (AKG) 2026-09-10. DOI: 10.36590/akg.v3i2.2149. 原著ライセンス:CC BY.