著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Perlindungan Tanaman Indonesia (Universitas Gadjah Mada)
ライセンス: CC BY-SA 確認元: OpenAlex
研究の目的
テンペはインドネシアの伝統的な発酵食品で、通常は大豆を浸して蒸し、リゾプス属のカビで発酵させて作ります。研究チームは、大豆の代わりとなる地域の食材としてナタマメに注目しました。ナタマメはインドネシアで広く栽培されているマメ科植物で、著者らによると、そのタンパク質含有量は大豆に近いとされています。一方で、ナタマメには栄養の吸収を妨げる成分(抗栄養成分)が含まれており、発酵によって減らせることが知られています。
さらに研究チームは、タンパク質が豊富な藍藻(シアノバクテリア)の一種であるスピルリナ・プラテンシスを加えることで、栄養価を高められると考えました。スピルリナにはフィコシアニンなど、抗酸化性をもつ色素成分も含まれます。ただし、生のテンペは水分が多く日持ちしないため、乾燥させて粉に加工しました。この研究の目的は、ナタマメとスピルリナを組み合わせて作ったテンペ粉の栄養成分と抗酸化活性を調べることです。
どのように調べたか
研究チームは、ナタマメを48時間水に浸し、皮をむいて蒸した後、テンペの種菌を混ぜました。蒸したナタマメ200gに対して、生のスピルリナを0g、5g、10g、15g、20g加えた5種類の試料を用意しました。配合率にすると0%、2.5%、5%、7.5%、10%で、スピルリナを加えないものが比較用の対照です。これらを30℃で48時間発酵させてテンペにしました。
できたテンペは薄く切り、60℃で12時間乾燥させてから粉砕し、ふるいにかけて粉にしました。この粉について、水分、灰分(ミネラル分の目安)、脂質、タンパク質、食物繊維、炭水化物の量を測定しました。抗酸化活性は、DPPHという試薬を用いて、試料がフリーラジカルを打ち消す働きの強さを調べる方法で評価しました。各配合の違いは統計的な手法で比較しています。
主な結果
著者らの報告によると、ナタマメ・スピルリナのテンペ粉は、水分が6.8〜7.8%、灰分が1.7〜1.8%、脂質が6.1〜8.7%、タンパク質が39.6〜52.5%、食物繊維が1.9〜2%、炭水化物が29.1〜45.1%でした。抗酸化活性は2.5〜4.4%の範囲でした。
見た目にも変化が報告されています。スピルリナを多く加えるほど、テンペは青みを帯びました。著者らは、スピルリナに含まれる青緑色の色素フィコシアニンが、発酵中にカビの菌糸の間に取り込まれたためだと説明しています。ただし、色素が均一に広がらず、色むらが見られたことも報告されています。
研究が示すこと
研究チームは、ナタマメのテンペ作りにスピルリナを加えることで、テンペ粉の栄養成分と抗酸化活性を高められる可能性があると結論づけています。身近に栽培できる豆と微細藻類を組み合わせた今回の成果は、地域の食材を活かした持続可能な食品開発の一つの方向性を示すものといえます。
著者:Christiana Retnaningsih(Department of Food Technology, Faculty of Agricultural Technology, Soegijapranata Catholic University, Jl. Rm. Hadisoebeno Sosro Wardoyo, Jatibarang, Kec. Mijen, Kota Semarang, Jawa Tengah 50231)、Alberta Rika Pratiwi(Department of Food Technology, Faculty of Agricultural Technology, Soegijapranata Catholic University, Jl. Rm. Hadisoebeno Sosro Wardoyo, Jatibarang, Kec. Mijen, Kota Semarang, Jawa Tengah 50231)、Victoria Kristina Ananingsih(Department of Food Technology, Faculty of Agricultural Technology, Soegijapranata Catholic University, Jl. Rm. Hadisoebeno Sosro Wardoyo, Jatibarang, Kec. Mijen, Kota Semarang, Jawa Tengah 50231)、Josephine Alexandra Aria Regina Devi(Department of Food Technology, Faculty of Agricultural Technology, Soegijapranata Catholic University, Jl. Rm. Hadisoebeno Sosro Wardoyo, Jatibarang, Kec. Mijen, Kota Semarang, Jawa Tengah 50231)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Christiana Retnaningsih, Alberta Rika Pratiwi, Victoria Kristina Ananingsih, Josephine Alexandra Aria Regina Devi Enhanced Nutritional and Antioxidants Content of Tempeh Flour Made from a Combination of Jack Bean (Canavalia ensiformis) and Spirulina platensis. Jurnal Perlindungan Tanaman Indonesia (Universitas Gadjah Mada) 2026-10-09. DOI: 10.22146/agritech.114268. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。