著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Teknik dan Teknologi Indonesia
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
建物の改修だけではない市場の再整備
研究チームは、ラノメエト市場の再整備に向けて、商売の種類や利用者の活動に応じた空間のあり方を検討しました。着目したのは、人の活動や使いやすさ、その場所らしさを重視する「プレイスメイキング」という考え方です。売買の場としての機能と、商人や買い物客が交流する公共空間としての役割を、どのように両立させるかが研究の目的でした。
著者らは、市場の運営資料に記された施設数、商人数、取扱商品、活動内容、必要な設備を整理し、それぞれに適した売り場や移動経路を検討する記述的・質的な分析を行いました。市場の写真も、建物や屋外空間の使われ方を読み取る補助資料として用いています。
商品の違いと屋外の商売に注目
対象の市場は敷地面積6,000平方メートルで、2026年9月1日時点の資料には、店舗型の売り場180区画と、市場内の売り台区画128区画が記録されています。商人は店舗型の売り場に130人、売り台区画に60人、屋外の広場に215人でした。著者らは、屋外空間も市場の経済活動を支える重要な場所であり、建物内だけを整えても十分ではないとしています。
扱う商品は野菜や果物、魚、肉、穀物、日用品に加え、衣類、中古品、飲食物など多様でした。研究チームは、こうした違いを踏まえ、水を多く使う魚・肉の区域、青果や乾物・日用品の区域、衣類・中古品の区域、飲食の区域に分けて配置することが必要だと整理しました。
具体的には、魚や肉の売り場には給水と排水、青果には通風、乾いた食品や日用品には湿気を避ける環境が必要だとしています。衣類や中古品には採光と換気、飲食区域には共同の洗浄設備と、排水から油脂を分離する設備を提案しました。これらは再整備に向けた提案であり、整備後の効果を測定した結果ではありません。
移動しやすさと交流を一体で考える
著者らは、売り場の区分だけでなく、荷物の搬入経路と歩行者の経路を分け、駐車場、給排水、ごみ処理、トイレなどを一体的に整える必要があると述べています。写真資料では、屋外や通路で商売、駐車、人の移動が重なる様子が示されており、それぞれの活動が妨げ合わない配置を重視しました。屋外の商人についても、商売の柔軟性を保ちながら、通路と安全を確保する方針を示しています。
この研究が示すのは、市場の再整備を、建物の外観や収容力だけで捉えない視点です。著者らは、商品の性質に合った設備と分かりやすい動線を整えつつ、人が出会い、やり取りできる場所を残すことが、市場の機能とその場所らしさを支えると結論づけています。
原著論文の著者・所属:Pratiwi, Annisa Fitri(Universitas Halu Oleo)、Singarimbun, Aldo Putra(Universitas Halu Oleo)、Abdurrahman, Muhammad Iqbal Abubakar(Universitas Halu Oleo)、Aratuza, Kinayung Syafira(Universitas Halu Oleo)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Pratiwi, Annisa Fitri, Singarimbun, Aldo Putra, Abdurrahman, Muhammad Iqbal Abubakar, Aratuza, Kinayung Syafira Place-Making dalam Revitalisasi Ruang Publik Pasar Tradisional: Studi Kasus Pasar Ranomeeto, Kabupaten Konawe Selatan. Jurnal Teknik dan Teknologi Indonesia 2026-09-04. DOI: . 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。